第2章 真の貴族
第15話 ハルケギニアの魔法の意味
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今まで考えていたよりも、更に汚い面が出て来た可能性も否定出来ないのですけど。
「えっと、そうしたら後ひとつ質問、ええかいな」
俺が更に質問を続ける。
ジョルジュからの答えはない。但し、踵を返して去って行かない以上、否定された訳でもないと言う事。ならば、この沈黙は、肯定と捉えたとしても間違いではない。
それならば……。
「何故、陽光が有る内に仕掛けて来たんや?」
俺の言葉に、明確に言葉にしての答えを返す事なく、ただ静かに目礼を行った後に、そのまま踵を返して元々出て来た建物の方に去って行くジョルジュ。
但し、その目礼は俺に対して行った物などでは無く、おそらく、俺の傍に近寄って来ていたタバサに対しての物で有ったと思うのですが。
☆★☆★☆
「それで、さっきの戦いの最後の部分は、一体、どうなって決着がついたの?」
タバサに続いて近付いて来た、ピンク色の少女がそう聞いて来た。それに、彼女には見えていなかったとしても仕方がないですか。
当然、武道に精通しているとは思えない貴族で、更に魔法使いの少女が簡単に見切る事の出来ないレベルの技術が無ければ、あのジョルジュの剣を跳ね上げる事が出来るとは思いません。
「そうですね。それでしたら、実際にお見せ致しましょうか」
そう言いながら、ルイズに俺が持っていた模造剣を渡す。そして、自らは、かまどを使用した際に使い残した木切れを手にした。
それに、百聞は一見にしかず、とも言いますしね。
「そうしたらヴァリエール嬢。その模造剣で先ほどの彼のように突きかかって来てくれますか」
そう言った俺に対して、何故か、少し不満そうな顔のルイズ。そして、
「ずっと気になっては居たのだけど……」
そう言いながら、自らの右隣に立つキュルケを指差す彼女。そうして、
「彼女を呼んで見てよ」
……と、少し意味不明な事を言って来る。
何でしょうかね。少し妙な事を言って来ていますが。
「キュルケ」
俺は、素直に…………。
……って、成るほど。そう言う事ですか。確かに、ルイズの事を俺はずっとヴァリエール嬢と言う家名の方で呼んでいましたね。
それに、才人の方は最初からルイズの事をルイズと呼んでいました。確かに才人は彼女の使い魔ですから、それはそれで正しいのかも知れません。それでも矢張り、俺がヴァリエール嬢と呼び続けるのは少し距離を置いた呼び方のような気もしますね。
それに、友人関係と言うのなら、名前を呼ぶ方が正しいのかも知れません。
つまり、このルイズの不満は、俺の方から、彼女に対しての無意識の内に作り上げていた壁に対する不満だった、と言う事ですか。
身分に対するこだわりはない心算でしたけど
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