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魔王の友を持つ魔王
§??? 番外編《短編集》
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「うお!?」

 暴れる護堂。誰だって麻の袋を被せられれば抵抗するだろう。しかし事前準備を重ねに重ねた四人の行動に一切の無駄など存在しない。ただ、黎斗の不幸は階段付近で護堂を襲撃したことだ。護堂の力にインドア派少年黎斗が敵うわけはなく、反町の援護が来る前に黎斗は体勢を崩してしまった。踏ん張ろうと足を伸ばした先にあったのは、ビニール袋。風で飛んできたのだろうか。
 ビニール袋を踏んでしまった黎斗は、体勢を支えきれず、階段下へ落ちていくことになる。

「おわー!!?」

「同志Lよ、お前の犠牲は無駄にはしない!!」

 落ちていく黎斗に投げかけられる頼もしい言葉。見上げれば、護堂確保に成功した反町、もとい同志Sの勇姿。革命の成功を確信し、黎斗は運良く(?)階段の踊り場に放置してあったゴミ箱の中へ、吸い込まれるように姿を消した。





「うぅ……ゲヘッ、ゴハッ……!!」

 黎斗が目を覚ましたのは、外のゴミ焼却場。天に届きそうな高さに積まれた燃えるゴミの山の中だった。夕日が目にしみる。

「おえぇ……」

 口の中にバナナのリンゴの生ごみが入っている。濡れたティッシュと埃まみれ、最悪だ。

「えっと、たしか護堂を捕まえようとして落下したんだっけ」

 やっとの事でゴミの山から脱出する。埃やバナナの皮が気持ち悪い。運んだ人は中に人が居る事に気がつかなかったのだろうか? 平均やや上の身長だから気づかれない訳はない筈なのだが・・・

「うぅ……最悪だ」

 このなりで校舎に入るのはおおいに噂されそうだがやむを得ない。教科書の類は全て教室だ。数学の宿題をサボったら死ぬ。それに携帯電話がなければ天罰の結果がわからない。

「ゴミの中にケータイとかないだけマシか」

 教科書や財布(まぁなくてもどうとでもなるが)をゴミの中から探すことになったらもう絶望するしかない。最悪の結末を回避できたことを喜ぼう。

「さてっと」

 教室までどうにか見つからずに突入完了。人の気配が無いことを確認して扉を開ける。

「……おのれ、護堂」

 教室で見たのは、絶望に倒れ伏す我が同志達。黎斗は天井を見上げ、呪詛を紡ぐ。気配がないはずだ。意識を失っているのだから。
 ゴミまみれの黎斗が恵那&エルに冷水を浴びせられるまであと一時間。
 あまりの冷たさに絶叫を上げのた打ち回るまで、あと一時間。









《風邪風かぜカゼ》

「ぶぇっくし!!」

「……三十八度。完全に風邪ですね。だから水風呂に浸かるなとあれほど」

 エルがぶつくさと小言を言っているが、黎斗にそれを聞く元気など残っていない。声を発することさえままならず、苦しそうに寝返りをうった。今のような状
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