無印編
第十八話 裏 後 (アルフ、プレシア、なのは)
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使えない。ゆえに却下だ。
そして、もう一つは、あのゴミが負けたという魔導師の存在である。ゴミが負けた魔導師が地球にいることは分かっている。だが、地球は管理外世界であり、正規の魔導師がいるとは考えにくい。特に管理局の人間であれば、質量兵器で互いを牽制しているこの星になどいないだろう。それを隠れ蓑にした犯罪組織だろうか。ならば、手はあった。犯罪組織がジュエルシードのようなロストロギアを集める理由は金だ。その一点尽きる。幸いにしてプレシアの手元には大量の金があった。特許として毎年莫大な金が入ってくるし、研究の副産物だけで一財産稼げたのだから。
なるほど、これなら上手くいきそうだ。だが、その交渉のためには、まずジュエルシードを探している魔導師を探さなければならない。
プレシアは、その魔導師を探すために地球に動力炉の魔力を使ったサーチャーを降ろした。
件の魔導師は意外にも簡単に見つかった。そもそも、地球では魔力を持つ存在が少ない。ジュエルシードを見つけたという街で見つけたのは、たったの二人と一匹だ。そのうち一人と一匹はAランク程度の魔力を持ち、もう一人はSランクを超えた魔力を持っていた。数名、魔力を持っていないものが随行しているが、これは現地住民だろう。
おそらく、魔力から考えるにゴミが負けたのは、Sランクの魔導師だろう。だが、ここで疑問がわいてきた。彼らは何者だろうか、と。様子を伺うに一匹が探索魔法を使っている。つまり、こちらは管理世界の人間だろう。ならば、他の二人は? 現地住民だろうか。だが、そうだとすれば、魔法のない世界の住人にあのゴミは負けたことになる。なるほど、失敗作はやはり失敗作だったということだ。
彼らが管理局の人間ならば、あのゴミも管理局の人間に負けたと言うはずだ。なにせ、彼らには最初に身分を提示しなければならないという規則があるのだから。
さて、どうしたものか。犯罪者なら金だと思っていたが、どうやら現地住民らしい。ならば、他に手立てを考えなければ、と思っていたプレシアだったが、彼らを交渉のテーブルにつけるために観察しているうちに気がついた。
「ん?」
Sランクの魔力を持つ少女から奇妙な違和感を感じた。その違和感の原因を見つけるために観察を続け、しばらく観察することでその違和感の原因に気づいた。そして、それに気づいた瞬間、腹の底からこみ上げる笑いをとめることはできなかった。
「あはははは、あははははははははははっ!!」
ああ、簡単だった。交渉の糸口はすぐさま見つかった。なぜなら、おそらくあのゴミに勝ったであろう魔導師は自分と同じだからだ。周りは気づいていない様子だったが、プレシアはすぐに理解した。視線先を見つめるときの彼女の瞳。ただそれだけでプレシアは、彼女を理解した。
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