無印編
第十七話
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る意味が分からない。さくらさんたちの様子を鑑みるにこのジュエルシードの危険性は分かっているようだし。
これは、少し腹を割って話すしかないのだろうか。そうなると、ユーノくんに聞かないと拙いかな。
「ちょっと待ってください。そちらだけ答えを求めるのは不公平です。ここはお互い隠し事なしで話しませんか?」
本当は忍さんたちの事情だけ聞ければいいのだが、それでは埒が明かない。狸と狐の化かしあいでは話が進まない。そもそも、僕はそこまでの話術を持っているわけではない。だから、僕は念話でユーノくんに了解を得て、忍さんたちとの対談に臨むのだった。
対談の中で分かったことは、忍さんたちが夜の一族といわれる吸血鬼―――正確には違うらしい―――であること。その身体能力と魔眼という能力ゆえに地域特有の霊術的なことにも関わっていること。驚いたことにこの世界には幽霊が実在し、それを退治するための霊能力者もいるらしい。それらは総じて裏と呼ばれること。恭也さんの剣術―――御神流も裏の一部であること。月村家は海鳴の裏の総括を任されていること。ジュエルシードは襲撃者が狙っていたことなどが分かった。
こちらから話したことは、ジュエルシードという外の世界の異物が21個あること。それらを発掘した責任者であるユーノくんのお手伝いをしていること。魔法が使えること。主力はなのはちゃんであること。時空管理局という魔法世界の警察がくるまでの中継ぎであること。襲撃者とは先日争ったことなどを話した。
僅か数時間で僕が今まで知らなかった世界を垣間見ることになってしまった。
「なるほど……そちらの事情は分かったわ」
「ええ、僕もまさかそんな世界があろうとは夢にも思いませんでした」
世界には表と裏があって、霊能力者がいて、吸血鬼もいて、こっそりと世の中を操作しているなんて思春期の妄想じゃあるまいし、とは思うものの目の前に現実があるのだから仕方ない。
「それで、獣耳を持った女性もいたのね」
「はい、どうやら黒い少女の使い魔のようですが」
なぜか、さくらさんは黒い少女と一緒に居た獣耳を持つ女性を非常に気にしていた。僕が獣耳の女性が黒い少女の使い魔と告げるとひどく落胆した様子だったが。
「それじゃ、忍。あなた、明日からショウくんたちと一緒に捜索しなさい」
「「えっ!?」」
驚いた声は、僕と忍さんだった。
「この一件は大きくなりそうだから、月村も関係してないと顔が立たないわ。私たちが後ろ盾になるのもいいけど、これだけ大きな力を持つ宝石ですもの。神咲家やらが出張ってくる可能性もあるから私たちが直接出たほうがいいわ」
僕たちにお墨付きを与えるよりも、月村家の誰かが同行したほうが都合がいいというわけか。神咲というのは分か
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