救出戦
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パパたちのとこへ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ゲツガとユイがキリトたちの所に着いた時、キリトたちのHPはグリーンではなく、イエローに達していた。ゲツガは壁を跳ねて、キリトとユキ、アスナを回収する。素早くキリトたちを回収し終えると同時にユイがとことこ歩いてきてモンスターの前に出る。
「バカ!!早く逃げろ!!」
キリトが叫ぶモンスターが重々しい動作で持っている鎌を振りかぶる。そして、ユイに向かって振り下ろされる。その前に飛び出したゲツガは死神の鎌を軌道をそらそうと弓を分解し、二本の剣を逆手に持つ。しかし、ゲツガのパワーでも、あいつの鎌を弾き返せるか分からない。その時、さっきのノイズのことを思い出す。
『もしかしたら、あのノイズは……』
スキル《殺陣》を使えるか試す。すると、自分の身体の中にうごめくものを感じる。そのあと壁やモンスターにいくつもの赤い線が見ようになる。何の線かみた瞬間に何故か理解できた。
『この線は……あいつを構成するプログラムのつなぎ目』
鎌にある線を剣で沿うように斬る。すると、スパンと鎌が真っ二つ斬れ、ポリゴン片になる。ソレを見たユイは驚いた顔をして言う。
「何で私を助けたんですか?今の私はプログラムに守られてダメージを与えられることがないのに……それにさっきの……」
「まあ、さっきのは自分でもわからねえけど、食らわないって本当か?何で食らわないかわ分からないけど、自分を慕ってくれる子が攻撃されるとこを何もしないまま黙って見ることが出来ないんでね」
そう言うとユイは悲しそうな笑みを浮かべる。
「優しすぎますよ、あなたは……」
そして、ユイは自分の身の丈を超える炎剣を出現させる。そして、その剣を、ぶん、とモンスターへと撃ちかかる。死神は何も出来ないまま、その剣を叩きつけられる。ソレを食らった死神の身体を火炎が包む。しばらく死神が出したと思われるかすかな断末魔が響く。火炎が消えた時には、もう死神の姿はなかった。
アスナたちはよろよろと立ち上がる。ゲツガはユキを起こすのを手伝う。
「ゲツガ君、何でユイちゃんが……」
「俺もどうしてかわからない。でも、ユイが話してくれるはずだ」
そう言ってユイのトコに近寄る。キリトとアスナもユイに近づく。
「ユイ……ちゃん……」
アスナが掠れた声で少女の名を呼ぶ。そして、ユイは振り向く。微笑んでいるが目には涙が溜まっている。
「パパ……ママ……お姉ちゃん…全部思い出したよ……」
ユイは静かにそう告げた。
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