第1問
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通学路に桜が咲き誇り、吹く風によって舞い散る季節。
徹夜で新作ゲームをプレイしていた身体には辛く、更に眠気を誘われるような暖かい陽射しが降り注ぐ中、文月学園へと足をすすめる。
「遅いぞ東城!」
暫く歩いていると最近耳にした声が聞こえた。
「あぁ…おはようございます、西村先生」
「なんだその体たらくは、また徹夜か! 少しは学生らしい生活をだな…。まぁ今更お前に言ったって無駄なんだろうな…。受け取れ、お前が1年間過ごす教室だ」
「……あー、Fっすよね?」
そう聞くと鉄人は頭を抱えた…いや、そこまで露骨に落ち込まれると反応に困るんですけど…。一応確認するが…うん、Fって書かれてるな。無駄に達筆で。
「分かってるとは思うが、ついでに言っておこう。昨日の会議でお前の処分が決まった…観察処分者だ。貴様をガンガンこき使ってやるから覚悟しておけ!」
「へーい」
根は良い人だから勉強に差し支えのない程度とは思うが……実際やってみなきゃそこら辺は分かんねぇか。
ひとまずAクラスを覗いてからFクラスに向かうことにした。
◆
二学年の廊下を歩いていると、とある教室を覗き見してる馬鹿を見つけた…不審者扱いされても文句言えねぇぞアレは。
「…オイ、明久なに覗いてんだ。女子の着替えでも見つけたか?」
「し、深羅! ち、違うよ!? 覗きじゃなくて、ちゃんと敵地を偵察しているんだ」
「ほう、ではその偵察で得られた物はあったのか?」
「システムデスクに1人一台ノートパソコンの支給、お菓子食べ放題のドリンクバー付きだったよ!!」
「…まぁ、お前の着眼点はそこだろうなぁ」
Aクラスの設備は下手な漫画喫茶より豪華になっている。これだけ与えられて全く勉強の支障にならない所がAクラスの色んな意味で恐ろしい所でもあるんだが…。
そして相手クラスの戦闘員となる生徒に目を向けるとそこには学年次席の霧島翔子、それと並ぶ実力の持ち主の久保利光、木下秀吉と瓜二つの姉の木下優子などの優等生の面々が居た。
しかし俺はやや疑問を感じた。飛鳥が居ないと言う事に。
司馬飛鳥は帰国子女であり学年主席とも呼ばれる程の頭脳を持っている。その主席がトップクラスのAクラスに居ないなんて事はまず有り得ない事だ。
ひとまずまだ来ていないのだろうと言う結論を頭の中で出し、Fクラスへと足を向けた。
廊下を進んでいくにつれ、設備ランクがどんどんと下がっていっているのが手に取るように分かる。Eクラスでもボロボロの木製の机なのに、Fクラスはどれだけ酷いんだ……。
そして2-Fと書かれた札が落ちかけている部屋の前に来た。壁は剥がれ落ちて壁の内部が丸見えな部分が多々あった。
「…これ、教室か…?」
「…覚悟はしてたけど、ま
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