フェアリィ・ダンス編
第57話 =現実で待っていたもの=
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トが軽く思えて使えなくなったけど…。
「よぉ!お前たち来てたのか」
「よっす、松っちゃん…というかお前受験大丈夫なのかよ…」
今来たのは通称松っちゃん、本名は誰も知らない…わけじゃないけど…。
「……さ、試合やろうぜ」
「「おいっ!!」」
どうやら2年前から馬鹿なのは変わっていないらしい。思わず2人でつっこむ。ちなみに美菜実は推薦とかでもう進路は決まっているそうだ。
「…勉強しなさいよ……陸也君、松っちゃん準備はいい?」
審判席からの美菜実の声に互いに気が引き締まる。…と言っても俺は向こうほどではないけど…。
「…シッ!!」
向こうからのサーブが綺麗にサービスコートの角にバウンドするように飛んでくる。これがアイツの武器、2年前はこれで2ゲーム近く取られて負けていた。が…
「……それっ!!」
今の俺にはその速い球がゆっくりに見える。ゲームが終わったとはいえ失ってない部分もあるんだな…。サーブをラケットの真ん中、スイートスポットににドンピシャで当ててリターンエース。その後も何度かラリーの続く展開もあったがボールは見えているのとパワーで押して、最後にはまたリターンエースで勝利を収めた。
「今のところ負けなしっと!!」
「くそー!次は絶対勝ってやるからな!!」
「はいはい。ほら、さっさとコート整備手伝ってよ」
男同士の友情とやらもマネージャーに一蹴されしぶしぶとコート整備のためにトンボをかける。今はもうテニス部新生テニス部となっているので俺たちが使えるもの午前、しかも結構朝の少しだけなのだ。このコート自体、今住んでいる家から近い距離にあるので俺は苦じゃないけど…。
「…このあと、陸也君ってどうするの?」
「……そうだな…アイツの見舞い、かな」
さっきも言ったとおりまだ俺たちの仲間であり…いまだ返事をあいまいにしている4人の中の1人であるユカは目覚めていない。
でも、もしかしたらという希望は捨てられないため3日か4日に一辺俺は見舞いにいっている。
「そっか…結城さん、早く目覚めるといいね」
「だな…じゃ、あと任せていいか?」
俺は美菜実が頷くのを見ながらラケットバッグの中にラケットをしまい、それを背負って自転車の置いてある場所へと走った。目指すはここから1時間ほど自転車を転がしたある所沢の病院だ。
────
「うっはぁ……やっぱ大きいな〜」
俺の愛車であるアルベルトのママチャリをとてつもなく広い駐車場の片隅に置きホテルのロビー同然の受付へと向かう。すでに警備員とは顔なじみなので顔パスで駐車場には入れた。受付でも顔を覚えられたおかげで楽なんだけど最初のときなんか手続きが大変で面倒だったんだよな…などと思いながらその受
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