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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十五話 湯のまち、海鳴温泉 ★
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だ?」
士郎君と一緒にお風呂?
士郎君がこの前私の家に泊まったときだって恥ずかしかったからムリだよ。
でも気がついたら何かに縋るように頷いていた。
(なのは、僕は先に戻ってるから)
(あ、うん。おやすみ、ユーノ君)
(おやすみ。なのは)
ユーノ君は肩から飛び降りて宿の中に入って行った。
緊張しながら士郎君の横に浸かる。
さっきまですごく緊張してたのに温泉のぬくもりに緊張がほぐれていく。
「「ふう〜」」
二人で一緒に大きく息を吐く。
それから静かに夜空を並んで眺める。
でも士郎君は何も言わない。
なんで夜に宿の外に行っていたのかも聞こうとはしない。
そんな沈黙に耐えられなくなって
「士郎君、私、その」
必死に言葉を紡ごうとすると
「なのは、髪を洗ってやるよ。
森にいたんだろ? 少し汚れているぞ」
「え、あ、うん」
言葉を遮られて髪を洗われた。
丁寧でとても気持ちいい。
私の髪を洗ってもらって、再び二人でお風呂に浸かる。
今度はさっきよりはるかに近くに士郎君がいた。
違う。
一人じゃないって実感したくて、士郎君と肩がわずかに触れそうな位置に私が移動しただけ。
そんな中、士郎君が静か言葉を発した。
「なのは、無理に言う必要もない。
何を悩んでいるのか、迷っているのかも聞かない」
「うん。でも……」
「俺にもなのはに言えないことがあるんだ。だから気にしなくていい」
「……うん」
士郎君の言えないこと?
家族の事とか?
それともそれ以外にも私のように黙っていることがあるのかな?
わからない。
なんにもわからないよ。
私がフェイトちゃんとどうなりたいのか。
私が何をしたいのか。
全然答えが見えない。
俯いて、温泉をただ見つめる。
「だけどこれだけは言える。
迷ったら止まってもいい。だけどいつまでも止まっているな。
止まっていたら何も始まらない。
答えが出なくても突き進んでもいいんだ」
「突き進む?」
答えが出ないのに前に行く?
「ああ、迷っていても答えを得るために前に進むこともある」
……そうだよね。
ただ足を止めて考えても始まらないよね。
答えがいつ出るかなんてわかんない。
でも、それでも少しだけ勇気を出して前に進んでみよう。
そしたら、少し答えが見えるかもしれない。
「うん。進んでみる。
なんで私があの子の事が気になるのかまだわかんないけど、突き進んでみる。
でも今は」
少しだけ休ませてください。
士郎君の肩に頭をのせる。
「いいよ。今は立ち止まってもいい
少し休んでいいから」
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