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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十五話 湯のまち、海鳴温泉 ★
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無理に言う必要もない。
何を悩んでいるのか、迷っているのかも聞かない」
「うん。でも……」
「俺にもなのはに言えないことがあるんだ。だから気にしなくていい」
「……うん」
なのはは俯いて、温泉の水面を見つめる。
「だけどこれだけは言える。
迷ったら止まってもいい。だけどいつまでも止まっているな。
止まっていたら何も始まらない。
答えが出なくても突き進んでもいいんだ」
「突き進む?」
「ああ、迷っていても答えを得るために前に進むこともある」
そう。
今の俺がそうだ。
俺は元の世界では全てを敵にまわした。
この世界ではどう生きていくのか?
遠坂やアルトが言っていた俺の幸せは掴めるのか?
俺は正義の味方を目指すのか?
目指したとして俺は正義の味方になれるのか?
すべて答えなんてまだ見えていない。
だけど立ち止まることはしない。
不様でもいい。
這ってでもただ前を目指して進み続ける。
「うん。進んでみる。
なんで私があの子の事が気になるのかまだわかんないけど、突き進んでみる。
でも今は」
なのはがさらに肩を寄せて、頭を俺の肩に預けてくる。
「いいよ。今は立ち止まってもいい
少し休んでいいから」
なのはの膝の上にある手を握り、今はあまえてもいいと優しく声をかける。
なのははそれに答えず、ただしっかりと手を握り返してくる。
それで十分。
俺の道はわからない。
でも歩んでみよう。
なのはとフェイトから恨まれてもいい。
少なくとも後悔しないように。
なのはやフェイト、一人でも多くの人たちが笑顔でいられるように剣を執ろう。
例えこの身が血で汚れても
新たな誓いを胸に俺は未だ出ない答えを探す。
side なのは
ようやくちゃんと教えてくれたあの子の名前。
フェイト・テスタロッサ。
だけど私の名前をいう事は出来なかった。
私はあの子とどうなりたいのか?
答えなんて見つからなかった。
それでも泊っている宿に歩きながらただ考える。
そして、ようやく宿にたどり着いた時
「おかえり」
「ふえ?」
宿の入り口で士郎君が立っていた。
「えっと、こ、これはね」
誤魔化さないと。
だけどパニックになった頭はうまく働かない。
そんな私に士郎君は苦笑して
「ほら」
「わっ!」
士郎君が放り投げた物をなんとかキャッチする。
「浴衣とタオル?」
私が部屋に置いてきた浴衣とタオル。
士郎君の行動の意味がわからず士郎君を見つめる。
「露天風呂、行かないか? まあ、混浴だから多少気がひけるかもしれないけど
どう
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