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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十五話 湯のまち、海鳴温泉   ★
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挑発するように顔を近づけていった瞬間

「人違いではないですか? お姉さん」
「え?」
「士郎君」

 気配もなく背後に現れて、例の子を守るように前に立った。
 最近よく家に来ているせいで匂いに慣れていた。
 完全に油断してた。
 さすがの私も呆けてしまったけどすぐに意識を切り替える。

「あははは、ごめんね。知ってる子によく似てたからさ」

 笑って自分の間違いと誤魔化す。

「そうですか。ですが次からは気をつけたほうがいいですよ。
 一般の他の方々がいるんですから、下手な誤解は余計な揉め事を起こしかねませんしね」

 うっ!
 目が怖い。
 それに他の方々じゃなくて一般の他の方々って一般人の前で妙な事をしたらただじゃおかないっていう脅しじゃんか。
 士郎の視線から顔を逸らすように例の子の肩に乗っていたフェレットに手を伸ばす。

「そうだね。そうするよ。ごめんね。にしても可愛いフェレットだね。撫で撫で」

 その瞬間殺されるかと思った。
 気がついたら浴衣の中に右手が入っていて何かを握ったように見えた。
 眼には感情がなく、一歩間違えば間違いなく私の命にかかわる。
 でもなんでこんなに急に反応を……そういう事ね

 士郎の反応の原因はすぐに分かった。
 この子の首だ。
 フェレットが肩に乗っていて、その子の首のすぐ横に私の手がある。
 だからか。
 下手にこれ以上動かないほうがいいね。
 マジで殺されそうだし。

「さあって、もうひとっぷろ行ってこようっと」

 フェレットから手を離して、士郎の前から姿を消すけど内心冷や汗ダラダラだった。
 一応、例の子には念話で警告はしておいたけど
 それにしてもなんだろうね、士郎は。
 普段は温和なくせに戦いになればフェイトや私じゃ手に負える相手じゃない。
 フェイトと同い年だったはずなんだけどね。
 一体どんな人生送ればあんな風になるのかね。

 でも……だからこそフェイトの痛みもわかってやれるのかもしれない。




side 士郎

 まったくアルフの奴。
 なのはに詰め寄るような形で顔を寄せたから声をかけることにしたが正解だった。

「あははは、ごめんね。知ってる子によく似てたからさ」

 笑って自分の間違いだと誤魔化していたようだがそれぐらいじゃ誤魔化せない。

「そうですか。ですが次からは気をつけたほうがいいですよ。
 一般の他の方々がいるんですから、下手な誤解は余計な揉め事を起こしかねませんしね」

 一般人の前で妙な事をしたらただじゃおかないと遠まわしに警告をしたが理解してくれたようだ。
 だがそのあと俺がイタチだと思っていたフェレットに手を伸ばす。
 フェレットの横にはなの
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