第60話 今日も平和な洛陽
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良い傾向です。
彼女は万夫不当である必要はありませんが、自分の身を己で守れるくらいになってくれればと思っています。
その意味では少々不安はありますが概ね大丈夫でしょう。
「主、楽しそうではありませぬか。私も仲間に加えてはくれませぬか?」
私と麗羽が立ち会っていると星が現れました。
星は彼女の獲物である槍を肩に担ぎながら期待するように言いました。
「麗羽達に剣術の指導していただけで、星が喜ぶ内容ではないと思うよ」
「主、何を仰います。主と立ち会えるとあらば、この趙子竜、幸福の極みですぞ!ささ、主、一合お願いできませぬか?」
星はしつこく私との立ち会いを求めてきました。
「わかった。星、始めるか」
「これは楽しみですな」
星は飄々とした表情を止め、真剣な表情になり槍を構えました。
私も稽古用の鉄剣を置き、双天戟を構えました。
このように星と立ち会う機会がなかったので気づきませんでしたが、攻撃の早さも一撃の重みも私が上でした。
私は振雷や振雷・零式のお陰で強いと思っていましたが、どうやら勘違いしていたようです。
星は初めの数合は私の攻撃をいなしていましたが、序々に押されています。
「主、流石ですな・・・・・・。ここまでとは・・・・・・思っておりませんでした・・・・・・。勝てそうな気がしませぬ」
息を切らしながら星が言いました。
どうやら星も私は振雷・零式という虎の子のお陰で強いと思っていたのかもしれません。
私は星の隙が一瞬出来た瞬間すかさず、踏み込んで双天戟を突きました。
「かかりましたな!」
星は私に攻撃を仕掛けてきました。
踏み込みが深いので避けれそうにありませんでしたが、私は更に深く踏み込み星との距離を一気につめました。
「なっ!」
私の場合、硬気功で絶対に怪我をしないという確信からこんな真似ができます。
星の槍の軌道を冷静に判断して避けると星に体当たりをしました。
彼女を双天戟で突き刺す訳にはいかないです。
「くっ、くは!」
星は私の体当たりで2m程吹き飛びました。
「はあ、危なかった・・・・・・」
「兄様―――!凄いのじゃ」
美羽がはしゃぎながら駆け寄ってきました。
「痛っ、主、痛いですな。乙女の玉の肌を何だと思っているのです。嫁の貰い手が無くなったらどうするのです」
星は服に付いた土を払いながら私に愚痴を言いました。
「悪いな。手加減できる状況ではなかった」
「まあ、いいです。もしものときは主に責任を取って貰います故」
星は先ほどまでと違いいつも飄々とした態度で私に言いました。
「星さん、何を言っていますの!この私が許しませんわ
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