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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
帰国
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ことだと思う。

「お疲れ様です」

 私がそう言うと二人は無言のままドアを開けてくれた。どうやら会話も禁止されているみたい。
 部屋に入り込むと私はそのままベッドに直行して倒れ伏す。柔らかいスプリングが私の身体を押し返して少し跳ねてから止まる。

「よう、随分へばっているみたいだな」

「ふえ?」

 どこからか聞こえた声に顔だけ左右に巡らすと……

「よ」

 窓際に人がいた。太陽の光が反射して顔が見えないけど声で誰か分かる。
 その人はこちらに近づいてくると私の上に覆いかぶさってきた。

「ちょ、クロエ!?」

 鮮やかな金髪に至近距離で見える綺麗な碧眼が私の顔を映し出している。セミロングの髪を横側だけ編み上げていて、それ以上に目立つのが左目下にある泣き黒子が特徴的な白人の子。クロエ・アシュクロフト。
 ニュージーランドの代表候補生で現在はジャクソン社所属の代表候補生。同い年だけど、私のIS操縦の先輩。

「何でここに?」

「細かいこと気にするんだな」

「細かくないから聞いているんですよ?」

「カルラが帰ってくるって聞いてからずっとここで待っていただけだよ。別に何も言われてないし、大丈夫大丈夫」

 この細かいことを気にしない性格が今は羨ましい。
 クロエはそのまま私の上から退くと隣に仰向けで倒れこんだ。またスプリングが跳ねて私の体が少し揺れた。ふかふか……気持ちいい。

「で、IS学園はどうだった? 例の男には会ったんだよな?」

「んー、まあ、ね」

「何か歯切れ悪いな。私も日本に一回は行ってみたいんだが?」

 一時は私とクロエの両方にIS学園の誘いは来ていましたが、ようやく完成した第3世代『デザート・ホーク』はその当時まだ赤道連合には1機しか存在せず、既に『デザート・ウルフ』の扱いに長けたクロエには後進の育成に当たってほしいということで私が学園に行くことになったんですよね。うーん、でもとりあえず言えるのは……

「とりあえずクロエには日本は向いてないと思いますよ?」

「何で?」

「臨海学校でカワハギっていう魚を生で食べましたから」

「おえ……」

 クロエが生魚って言葉を聞いた瞬間にベッドから起き上がった。なんでも昔から生魚がダメらしい。だから日本の食生活はかなり合わない。臨海学校のカワハギも多分焼く。一夏さんと会わせたら食生活のことで揉め事になるのが目に浮かぶ。あ、箒さんともか。

 それにもう一つ日本が向かないことがある。クロエは家が両親ともに軍人で厳格だったため、その反動でかなり散在家な面がある。日本の夜にやっている通販番組なんて見た日には多いはずの手当ても一日で無くなってしまうんじゃないでしょうか。

「そうだよ。日本
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