無印編
第十六話 裏 (なのは、フェイト、忍)
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シードを仕舞うように彼女のデバイスにジュエルシードを仕舞っていると思ったからだ。だが、手を伸ばし、握ったところで黒い少女が戦斧から手を離さない。
「離して」
なのはが睨みつけるものの、黒い少女が戦斧を手放すことはなかった。
何度か同じことを繰り返すが、黒い少女が離すことがないということが分かったのか、なのはは気だるそうに立ち上がると足を上げ、痛めているであろう黒い少女の右肩を思いっきり踏みつけた。
「ぐぁぁぁ」
痛みで顔が歪む黒い少女。だが、なのはは一切躊躇を見せずにさらに抉るようにグリグリと足を動かす。ぐっ、や、あっ、という悲痛な声がなのはの耳を揺らしたが、足を止めることは決してなかった。そして、二、三度、足をグリグリと動かすことを繰り返した後、再び足を振り上げ、黒い少女の右肩を踏みつけた。
「がぁぁ」
痛みに耐えかねたのか、黒い少女の右手からカランカランという金属がアスファルトの上を転がるような音を出して戦斧が転がる。それを見たなのはは黒い少女の右肩から足を離し、少し歩いて戦斧を手に取り、語りかける。
「ねえ、ジュエルシード出して」
だが、戦斧からも答えはなかった。
「そう」
そのことに対してもなのはは冷静な目のまま呟くと、まるでそれが自然な動作のようにディバインシューターを一つ操作し、少し離れた黒い少女の腹部に命中させた。ぐっ、という耐えるような短い悲鳴が黒い少女から漏れた。
「お願いして、答えないたびに一つずつあなたのマスターにディバインシューターを命中させるよ。残り七つあるから、全部命中させても答えなかったときは……」
すぅ、とディバインバスターをホールドしたままのレイジングハートを黒い少女に向ける。
ディバインシューター八発とディバインバスター一発。非殺傷設定である以上、黒い少女が死ぬことはないだろう。だが、魔力ダメージは計り知れないものがある。もちろん、それでも出さなければ何度もこの動作を繰り返すだけだ。
だが、ここまでやっても戦斧は何かに悩むように答えはなく、ジュエルシードを出すことはなかった。
―――仕方ない、もう一回かな?
そうなのはが考え、もう一発、ディバインシューターを操作しようとしたとき、レイジングハートが点滅し、戦斧に告げた。
―――Please putout the JS. My master is serious.
「ダメっ! バルディッシュっ!!」
バルディッシュと呼ばれた戦斧を制止するマスターの言葉。だが、レイジングハートの言葉が契機となったのだろう。戦斧は何かを諦めたように、瞳のような宝石の部分から一つのジュエルシードを放出した。放出されたジュエルシードはなのはの手の中に収まる。手
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