無印編
第十六話 裏 (なのは、フェイト、忍)
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。防御魔法を使ったとしても全弾を防御しきれる可能性は低い。つまり、どちらにせよ、彼女は多少なりともダメージを喰らうはずだ。ならば、弱ったところを叩けばいい、と彼女の愛機であるバルディッシュをサイズフォーム変えて、フォトンランサーの行く末を見守る。
フォトンランサーはフェイトの予想通り、白い少女に全弾命中。直後、雷属性の付与のためか、閃光と煙。このまま白い少女が墜ちてくれれば、楽なのだが、フェイトの予想通り、白い少女は彼女の杖を構えたまま、白煙を割って飛び出してきた。彼女の姿は、フォトンランサーを多少なりとも受けたのか、白いバリアジャケットはところどころ黒くすすけている。だが、そんなことはフェイトにとってはどうでもいい。白い少女は、フェイトを敵と呼んだが、フェイトにとっても確かに白い少女は敵なのだから。誰かを傷つけるという行為自体に胸は痛んだが、フェイトが想う母親のことを思えば、その胸の痛みはないも同然だった。
飛び出してきた白い少女の一撃を受け止めようとバルディッシュを構えるフェイト。白い少女が杖を振り上げ、振り下ろす瞬間にあわせてバルディッシュを振り下ろした瞬間――――白い少女の姿が消え、バルディッシュの鎌は、宙を切り裂いた。
―――消えたっ!?
正直、フェイトが背後からの一撃を受け止められたのは、彼女に近距離戦闘の適正が高かったからに過ぎない。ぞくっ、と背筋から這い上がる悪寒に対応した結果が偶然、彼女の一撃を受け止めたに過ぎなかった。
だが、幸いにして白い少女の一撃を受け止められたフェイトだったが、頭の中は混乱していた。
―――まさか、この子は近接戦闘が得意?
いや、だが、戦いの中で掴んだ情報は確かに白い少女が遠距離戦闘が得意だと告げていた。しかし、だとすると彼女の行動が理解できない。近接戦闘が得意でなければ、フェイトに近接戦闘を挑む意味もわからないし、フォトンランサーによるダメージを受けてまで近接戦闘を挑む意味がないからだ。
とにかく、フェイトは一旦冷静になるために距離をとろうと白い少女をバルディッシュで、突き飛ばした直後、反転。そのまま距離を取ろうとしたのだが、それは不可能だった。いつの間に設置されたのか、フェイトの後ろには白い少女が使っていた射撃魔法が四つ、フェイトを待ち構えるように浮かんでいた。
拙いっ! と思った瞬間には次々と桃色の球体がフェイトを襲う。彼女の魔法は、フェイトのフォトンランサーのように直射型ではなく、誘導制御型だ。ただ避けるだけでは、いつ背後を取られるか分からない。だから、襲ってくる桃色の球体をフェイトは一つ一つバルディッシュの鎌で切り裂き、完全に壊すしかなかった。背後にいるはずの白い少女が気になったが、今、彼女はこの魔法の制御に思考を向けているはずで、別の
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