無印編
第十六話 裏 (なのは、フェイト、忍)
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ルの間にある裏路地を行ったりきたりしながら、ジュエルシードを探していた。
―――近くにある。
なのはもそれは分かっていた。ジュエルシードが近くにあるときの違和感が、なのはの中にも確かにあったからだ。
―――早く、早く、早く。
早く、ジュエルシードを見つけて翔太と一緒にいたい心がなのはを逸らせる。幸いなことになのはのその願いはすぐに叶うことになった。
突然、なのはの頭に響いたのは、翔太からの念話だった。
―――なのはちゃん、ユーノくん、ジュエルシードを見つけたよ―――
さすが、ショウくん、と思う一方で、自分で見つけたかったな、という思いがある。だが、どちらにしてもジュエルシードを封印できるのは、なのはだけだ。それにジュエルシードが見つかったのならば、遠慮なく翔太の隣に行けるのだから文句があろうはずもない。
なのはは夜の街を翔太がいるであろう方向に向けて駆け出す。ジュエルシードを封印した後の帰り道、翔太とどんなことを話そうか、と考え事をしながら。たくさんの人が行きかっている道であろうともマルチタスクが使えるなのはにとってしてみれば、考え事をしながら走るなど朝飯前のことだ。
だが、それでも複数のことを同時に行っていれば、本来気づくべきことにも気づかないこともある。今回の場合もそれだった。
―――ショウっ! 気をつけて! 誰かが結界も張らずに魔法を使ってるっ!! ―――
ユーノからの突然の念話にえ? と、意識を周囲に向けてみると確かに魔力が周囲に拡散している。翔太のものでも、ユーノのものでも、ましてやなのはのものでもない。第三者のものだ。そして、考えられる第三者とは、先日の休日の犯人以外には考えられない。
なのはの代わりに成りえるかもしれない魔導師。なのはにしてみれば、今を壊す敵である。
もし、目の前にいるなら、おそらく戦うことになるだろう。だが、今は目の前に犯人の姿は見えず、広範囲に魔力が拡散していることから犯人が使う魔法はおそらく広範囲に至る魔法なのだろう。そうだとすれば、翔太が危険だということはすぐに理解できた。
だから、なのははレイジングハートを起動させ、止めていた足を動かして、再び駆け出す。翔太が襲われたとしても自分が助けるために。だが、なのはが翔太を護るにしても多少、タイミングが遅かった。
翔太がいるであろう路地裏に入ったなのはが見たものは、天空から落ちてくる雷に対してプロテクションという防御魔法を展開しているようだった。翔太が正式な魔法を使えることにも驚いたが、なのはからしてみれば、翔太のプロテクションなど紙のようでしかない。事実、魔法の雷は、翔太のプロテクションをもろともせず、貫通してしまったのだから。
翔太のプロテクション
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