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リリカルってなんですか?
無印編
第十六話 裏 (なのは、フェイト、忍)
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の中に収まったジュエルシードを見て、なのは満足そうに笑った。

「あ、あああ」

 ジュエルシードを放出した戦斧を信じられないといった様子で見つめる黒い少女。だが、ジュエルシードが手に入ったなのはには、もはや魔法で勝った黒い少女も彼女の獲物である戦斧も無用の長物だった。
 だから、なのはは、自分の手に持っている戦斧を処分しようと思った。理由は簡単だ。これがある以上、もしかしたら黒い少女はもう一度、ジュエルシードを目指してくるかもしれないから。それは翔太との時間を邪魔することを意味する。なのはの中でも優先度が最重要であるその時間を邪魔するなど、とても許せることではなかった。だから、なのはは、これを処分しようと思った。

「ディバインシューター」

 なのはの声に従って動く桃色の球体は、なのはの手から離れた戦斧を弾いて、上手い具合に上空へと運んでいく。ガン、ガン、ガンと音を立て、射撃魔法の反動によって上空へと運ばれる戦斧。それに向けてなのはは、レイジングハートの発射口を向ける。それを見て黒い少女もようやくなのはが何をしようとしているのか理解したのだろう。バインドによって動かない手足をばたばたと動かし、口を開く。

「やめろ、やめろ、やめろ」

 黒い少女の口からうわごとのように呟かれる制止の言葉。だが、それもなのはの耳には届かないようで、制止する様子など一切見せることなく、レイジングハートのホールドしていた4つの環状魔法陣がなのはの魔力を増幅、加速させる。標的である戦斧はおもちゃのようにガン、ガン、ガン、とディバインシューターに打ち付けられ、もはや罅だらけだった。

 もはや後一押しで完全に壊れるであろうそれに終止符を打つべく、なのははレイジングハートを構えた。

「ディバイン―――」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 黒い少女の絶叫。だが、それがなのはの耳に届くことなく、なのはは最後の言葉を口にする。

「バスタァァァァァっ!!」

 レイジングハートの先端から発射される光の奔流。黒い少女の意識を刈り取った砲撃魔法は一直線に戦斧へと雪崩れ込み、黒い少女の愛機であった戦斧を塵に返す―――ことはなかった。桃色の光の奔流が直撃する直前、戦斧を守るように立ちはだかる一つの影をなのはは見落としていた。

 その黒い影は、戦斧を銜えると地面に降り立ち、まだレイジングハートを構えたままのなのはに突進してくる。突然の乱入者になのはは対応することはできず、黒い影の突進を避けることはできなかった。

 あまりの衝撃に吹き飛ばされるなのは。バリアジャケットのおかげであまり痛みはなかったが、それでも魔法の制御が一瞬、甘くなったのは確かだ。その一瞬を突かれたのだろう、黒い少女を拘束していたバインドは解かれ、痛みを堪えるなのは
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