無印編
第十六話
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だ。
ジュエルシードから魔力の奔流を感じた直後、何か別の世界に入ったような違和感を感じると同時に周りの雑踏もラジオのスイッチを急に消したように消えた。おそらく、ユーノくんが広域結界を張ったのだ。とりあえず、これで一安心だ。話によるとこの広域結界はユーノくんが結果以内に取り込む人間を取捨選択できるらしいのだから。
「ショウくんっ!!」
ユーノくんが広域結界を張ったのを感じて安心した直後、聖祥大付属小のバリアジャケットを着たなのはちゃんが杖を抱えて、路地裏に駆け込んでくる。
「なのはちゃんっ! これっ!」
僕は今にも暴発しそうな淡い光を放つジュエルシードをポケットのハンカチで包みなのはちゃんに投げ渡した。それだけでなのはちゃんは僕の意図を悟ってくれたのか、空中に浮いたジュエルシードに向けて「リリカルまじかる」とお馴染みの封印呪文を唱えてくれる。桃色の光に包まれたジュエルシードは今までの暴発しそうな危うさをその宝石の中に収めて、またただの蒼い宝石へと戻った。その宝石はそのままレイジングハートの元へと吸い込まれていった。
「ほっ、間に合った。ナイスタイミング、なのはちゃん」
僕は安堵の息を吐いた。あのままだとジュエルシードが暴発しそうだったし、なにより、件の魔導師が来るかもしれなかったからだ。それを考えれば、なのはちゃんが来たタイミングは実にナイスタイミングだったといえるだろう。
「しかし、やっぱりすごいね。あんなの簡単に封印しちゃうんだから」
「そ、そうかな?」
僕の褒めの言葉になのはちゃんは、照れたように笑っていた。
事実、淡い光を放っているだけのジュエルシードだったが、そこから漏れ出す魔力は驚異的だったように思える。それをいとも容易く封印してしまうとは、デバイスの補助があったとしてもすごいことだと思う。ちなみに、ユーノくんは発動しかけのジュエルシードを封印することは、レイジングハートの助けがあったとしても難しいらしい。だから、どれだけすごいことなのかは想像するまでもなかった。
「終わったのか?」
いまいち魔法に詳しくない恭也さんが周りを警戒しながら近づいてくる。さすがに先ほどまで雷が鳴っていたためか、小太刀を抜いてはいなかった。
「はい、とりあえず、表に出ましょうか」
いつまでもじめじめした裏路地にいる必要はない。なにより、この結界の中には魔導師の攻撃はないのだから安心して外に出られるだろう。恭也さんとなのはちゃんは、僕の提案に賛成したようで頷いて路地裏の出口へ向かって歩き出した。
路地裏から出てみると、そこは異様な世界だった。さっきまで車通りが激しかった道路には一台も車が走っていない上に人が一杯だった歩道にも誰もいない。さながらゴールドラッシュの
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