無印編
第十六話
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ないのだから。
そして、僕は論外だ。確かに魔力はある。だが、なのはちゃんみたいな才能はなかったようで、ようやくシールド系の魔法であるプロテクションが使えるようになったぐらいだ。ちなみになのはちゃんはプロテクションの魔法を一時間で使いこなしていた。もっとも、ユーノくん曰く、デバイスがあったおかげともいえるらしい。デバイスなしで魔法を組むというのは非常に難しいようだ。
相手にならないことは分かっている。しかし、分かっているが、気を抜くわけにはいかない。もしかしたら、僕のプロテクションで一瞬だけでも時間が稼げるかもしれない。その間になのはちゃんが来てくれるかもしれない。最初から諦めているよりもマシだろう。だからこそ、恭也さんも気を抜いていないのだから。
もう少しでなのはちゃんもこっちに来るといった時にその違和感は唐突に訪れた。影からじっと見られるような違和感。目に見えない何かを感じたときのような違和感。最近で言うと一番近いのはジュエルシードが発動したときだろうか。そうだとすると、この違和感はもしかして―――。僕の予想を裏付けるようにユーノくんから念話が入ってくる。
―――ショウっ! 気をつけて! 誰かが結界も張らずに魔法を使ってるっ!! ―――
やっぱり! と思うと同時にその違和感は現象として僕の目の前に現れた。月や星が見えるような夜空にも関わらずゴロゴロと鳴る雷。明らかに不自然すぎる現象。しかし、僕はその現象を説明できることを知っている。すなわち、これが別の魔導師の魔法ということである。路地裏から見える表通りの人々もなんだ? といわんばかりに空を見上げている。恭也さんもこの異変を感じ取って備えている。
そして、その雷はまるで何かを探るような探査針のように地面を穿ち、やがて僕の真上にも落ちてくる。
拙い、と本能的に感じた。僕の真下にはジュエルシードがあるのだから。もしも、この行動が別の魔導師の仕業だとすると、この雷は当然、ジュエルシードを見つけるためのものだろう。ならば、この雷をジュエルシードに当てるのは拙いと思い、僕は雷に対して覚えたばかりの魔法を発動させる。
「プロテクション!」
淡く白い光を放つ円形の盾が僕と雷を遮るように展開される。これで、防いでくれるか!? と思ったが、思った以上に上手くいかないようだ。僕のプロテクションは紙のようにいとも容易く破られ、幾分威力の落ちた雷が僕に向かって落ちてくる。
「いつっ!」
まるで、静電気が走ったときのような衝撃が走り、同時にその雷はジュエルシードにも走ってしまう。ジュエルシードの変化は唐突だった。僕の真下にあったジュエルシードは今まであったようなただの宝石ではなく淡く蒼い光を放っている。魔法を覚えた手の僕でも感じられるほどの魔力の奔流
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