第2章 真の貴族
第14話 模擬戦
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舌は満足しません。少量でも良いですから、自分の舌を満足させられる食事の方を俺は食べたいのです。
ですから、タバサを餌付けするようなマネをして、俺に食事の用意をさせた方が美味い料理を食べられるようになる、と思わせようとしているのですからね。
もっとも、彼女に取っては、俺は使用人扱いではないらしいから、そんな事をさせたくないみたいなのですが……。
「失礼、ミス・タバサ。少し、お時間を頂けますか?」
本塔の方から現れた一人の男子生徒が、まっすぐに俺達……いや、声を掛けた相手がタバサでしたから、真っ直ぐにタバサの方に向かって近づいて来て、そう話し掛けて来た。
えっと、マントの色からしてタバサ達と同じ二年生だと思いますね。但し、あまり記憶にない顔立ちをしているトコロから、おそらく別のクラスの生徒なのでしょう。
髪の毛は落ち葉色。瞳はブラウン。かなり強い意志の光を湛えた瞳が印象的と言う感じかな。鼻筋は通っていて、口は少しの笑みの形を浮かべている。
何と言うか、少なくとも、日本人にはあまりいない、彫りの深いイケメン青年と言う感じですか。
銀幕の向こう側に居る方と言う顔の造作です。
それで身体つきに関しては、身長は百八十センチメートル程度と言う感じでしょうか。制服とマントに隠されて居てよく判らないですけども、肩幅の広さと胸板の厚さから、かなり良い体格をしているのは判りますね。
う〜む。俺の身長が、確か百七十七センチメートルなのですけど、俺よりもかなり大きな体格だと感じるのは、おそらく、彼が発している泰然自若とした雰囲気が、彼の存在感を大きく見せているのでしょうね。
何と言うか。この学院の生徒は、今まで見た感想から言うと、どちらかと言うと線の細い薔薇の花が似合うようなギーシュくんタイプの男子生徒が多い中では、かなり目立つ存在ではないのでしょうか。このイケメン青年は。
……って言うか、少なくとも、タバサやルイズと同い年とは思えません。キュルケとならつり合いが取れるとも思いますが。
尚、彼が話し掛けて来た時、タバサと、そして、キュルケからも少し緊張したかのような雰囲気が発せられたのですが……。
彼の事を、このふたりはそれなりに知っていると言う事なのでしょうか。
「ひとつ、私に魔法実技を御指南しては頂けないでしょうか?」
イケメンくんがそうタバサに言った。
えっと。これは、多分、魔法での戦闘訓練を申し入れて来たと言う事なのでしょう。
そして、御指南と付いているトコロから、タバサは魔法に関しては、この魔法学院内でもそれなりに実力を認められた存在だと言う事なのかな。
しかし、タバサは無視。まぁ、昨日から付き合ってみて、彼女が他人に興味を示した事は殆んどないですから、これは
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