第2章 真の貴族
第14話 模擬戦
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何処か遠くで、雲雀の鳴く声が聞こえて来る、非常に長閑な春の日の風景でした。
☆★☆★☆
「どうや、美味いやろう?」
俺の言葉に無言で首肯く一同。
えっと、何故か当初予定とは違い、この場には余計にルイズとキュルケまで登場しているのですが。
もっとも、一升二合もご飯を炊いて有るから、問題は無いでしょう。
尚、カレーの種類は、単なるチキンカレーです。それに、鶏肉ならば、もしも宗教的な戒律が有ったとしても問題ないと思ったからなのですが。
もっとも、よくよく考えてみると、朝食の料理の中に、ブタらしき肉も有れば、牛らしき肉も有ったような気もしますね。これは少し、余計な気を回し過ぎたのかも知れませんか。
「あの、シノブさん。この白い塊は一体、何と言う食物なのでしょうか?」
シエスタがカレーには必ず入っているイモを、スプーンで指し示しながら聞いて来た。
成るほど。大体、予想通りの質問ですな。
「それは、ジャガイモと言って、芋の一種やな。俺の故郷では、これを使った料理も結構ある。まぁ、カレーの中に入れる具材としては、かなり一般的な具材かな」
俺が当たり障りのない答えを返した。尚、タバサが差し出して来た皿に、ご飯とカレーを盛り付けながらの返事となったのですが。
但し、これで、おそらくはこの世界では、未だジャガイモがヨーロッパにはもたらされていない時代だと言う事が確認出来たと思います。
ジャガイモは大航海時代に南米から持ち込まれた物です。もし、この場でジャガイモを彼女らの内の一人でも知っていたら、俺の想像していた時代区分とは違う時代の可能性が出て来るから、少々、厄介かなと思っていましたけど、少なくとも大航海時代は未だやって来ていない時代なのは確か、と言う事になったと思いますね。
「あの、その芋と言う物もよく判らないのですが」
引き続き、シエスタの質問が続く。
確かに、この四人の中で、農作物に興味が有って、ある程度の知識が有るのは彼女だけでしょうからね。その他の三人に関しては、全員、貴族のお姫様ですから、農作物に付いてはあまり興味が無くても仕方がないと思います。
それに、確か、ヨーロッパには芋は無かったような気もしますね。ですから、ジャガイモがポテトで、サツマイモはスイートポテト。これはかなり、適当な命名ですから。
う〜む。しかし、そうかと言って、これは少し説明が面倒ですか。
芋に似た物で、中世ヨーロッパの人達に説明し易い物……。ユリ根とか、食べたかな。味としては栗に近いけど、芋は樹木に成る果実では有りませんし。
「そうしたら、午後のお茶の時間に、オヤツとして、今度はサツマイモを用意しようか」
実際に、口で説明するよりも、食べて
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