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蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第14話 模擬戦
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午後に、学校の中庭に人が集まっていない訳はないですから。
 大体、五十人ぐらいと言う感じですかね。

 これは、竜殺し殿(ジョルジュ)が周りを巻き込むような大規模魔法を使用する事も可能と言う事ですか。
 少々、厄介な状況かも知れないな。

 俺は、少し後を振り返って、背後に立つタバサ達を見つめた。

 ウカツに魔法を躱す事は出来ませんね。竜殺しのゲオルギウスは、その毒竜を村に連れ帰って、十字教への改宗を行うのならこの竜を殺してやるとおっしゃられた、尊敬するに値する人物だった記憶が有りますから。
 俺からすると、それはどう考えても……。

 おっと、彼が、十字教に伝えられる聖人ゲオルギウスと同じ種類の人間とは限らなかったですか。

「そうしたら、私はこの国の作法については良く判りませんから、開始のタイミングはそちらで自由に決めて貰って構いませんよ」

【ハルファス。俺に魔法反射を頼む】

 口では太平楽な様子で、そうジョルジュに告げながら、【念話】でハルファスにそう依頼する俺。
 尚、魔法反射とは、たった一度きりでは有るのですが、相手の魔法を完全に反射出来る魔法の事です。
 但し、当然、一度しか効果を発揮しない為に、集団戦闘の時には大して効果を上げる事はないのですが、こんなタイマン勝負の時には、一瞬の隙を作る事が出来る対魔法用結界魔法でも有ります。

 しかし……。

「ひとつ忠告して置きます」

 最初から全く変わる事のない雰囲気で、ジョルジュくんが俺に言葉を掛けて来た。
 う〜む。しかし、コイツは余程、自分の能力に自信が有るのでしょうね。戦闘開始前だと言うのに、過度の気負いのような物も、そして緊張もしている様子も有りません。
 確かに、それなりの緊張感は有るみたいですけど、それが、悪い方向に向かうようなタイプではないと言う事です。

 もしかすると、それなりに修羅場を潜り抜けて来た相手の可能性も有りますか。

「本気で相手をしなければ、死ぬ事も有り得ますよ」

 ジョルジュが軍杖を抜いた。妖しい銀の煌めきが、春の陽光を反射してその一瞬だけ別の世界を創り上げる。

 刹那、俺とヤツの距離がほぼゼロとなる。
 最初に有った距離、大体、十五、六メートルほどの距離をほぼ一瞬で詰め、左下方から軍杖を斬り上げて来るジョルジュ。

 高速で迫る白刃を、左手に手にした鞘に納まったままの模造剣を使い、下から少し上にベクトルを向けてやる事で、必殺の白刃を躱す俺。
 しかし、風を斬ったはずの白刃が、俺の頭上で円を描くようにして回転し、今度は、俺を袈裟懸けにしようと振り下ろされる。

 ええい、コイツ、魔法使いではない。この動きは剣使い!

 どう考えても人間の動きではない、そのジョルジュの動
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