第2章 真の貴族
第14話 模擬戦
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「トコロで、その模擬戦とやらのルールと言うのはどうなっているのです」
学院に常備されていた訓練用の刃を付けていない模造剣を鞘から抜き放ち、空を一閃。そして、その重さとバランスを確認しながら、そうジョルジュくんに聞く。
尚、この模造剣と言うのは形としてはレイピアですけど、固定化と言う魔法が掛けられているから、結構、頑丈な代物らしいです。
「基本的には相手の杖を飛ばした方が勝利です」
自らの細見の剣……、何でも、あれでも魔術師の杖の一種らしいです。その軍杖と言う杖を一度確認するかのように抜いたジョルジュがそう答えました。
成るほど。しかし、その方法だと風系統が圧倒的に有利なような気がするのですが。
そう思いながら、再び鞘に模造剣を仕舞い込む。模擬戦の正式な作法が判らない以上、抜き身の剣を手にする事すら卑怯と取られる可能性も有りますし、俺は、基本的に攻撃を捌くタイプの剣を使用しますから、鞘に納まっている状態からの方が、何かと都合が良かったりしますから。
もっとも、この国の魔法は杖が無ければ発動しない物らしいですから、相手に怪我をさせずに勝敗を決するのなら、杖を取り落させるのが一番簡単ですか。
【タバサ。アイツの魔法の系統を教えてくれるか?】
表の方。実際の声ではジョルジュくんの相手をしながら、【指向性の念話】にて、タバサにそう話し掛ける俺。
それに、これも基本ですか。一応、自分の能力の強化魔法を使った上で、相手の基本の能力が判っていたら、戦いも大分、楽には成りますから。
但し、兵は詭道なり、の言葉も有ります。より上位の能力を持っている者が、能力を低く見せる事は容易ですから、公の情報をあまり信用し過ぎるのも問題は有るのですが。
【土・土のライン】
瞬時に答えを返してくれるタバサ。
成るほど。しかし、それにしては相手の落ち着き具合が妙ですね。
何故ならば、少なくとも、彼も昨日の使い魔召喚の儀で何が有ったか知っているはずです。それならば、その際に俺と才人が為した事を知っていると思っても間違いは有りません。
まして、あの時のレンのクモに、学院生徒やコルベール先生の魔法が通用しなかった事についても知っているはずなのですが……。
【シルフ。俺の周りに常に新鮮な空気を発生させ続けてくれ】
まぁ、まさかそんな事まで出来るとも思えないのですが、空気を何か別のモノに錬成出来るかも知れませんから、一応は、転ばぬ先の杖。策を弄して置きましょうか。
もっとも、その場合、それは既に『錬金術』とは言えないような気もするのですが。
そうして、次に戦場の確認を行う。
周囲には、ギャラリーは……居ない事もない、と言うぐらいですか。良く晴れた春の日の
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