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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
人間交差点
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2年生って今授業中じゃないの? それ以前になんで一年生の寮に?
 えっと、とにかく名前聞かないとですね。私は扉を半分だけ開けて確認します。扉を開けるとそこには簪さんに似た人と……その後ろに鮮やかな黒髪を三つ編みにし、眼鏡をかけた凛とした女性が立っていました。こっちは……ネクタイが赤だから3年生ですね。
 上級生二人が何の用でしょう? どちらもあったことはないと思うのですが……

「えっと、どちら様でしょう?」

 私がそういうと簪さんに似た女性は明らかに肩を落としたようにフラフラと眼鏡の女性の方に倒れこみました。

「虚ちゃん……私って知名度低いのかな……」

「今年は挨拶を行えなかったのでしかたないかと。後どさくさに紛れて胸を揉まないでくださいお嬢様」

「んー、お嬢様はやめてほしいなー」

「私から離れてくれたら善処しましょう」

「しょうがないにゃー」

 3年生の名前はどうやら(うつほ)さんらしい。でもこの人いきなり人前で胸を揉み始めるとか……この簪さんに似ている人、なんというか色々規格外。
 そんなことを考えているとその当人の顔が目の前にありました。私は驚いて思わず後ずさってしまいます。

「んー、かわいー♪」

 ケタケタとまるで子供のように笑うその人はどこから取り出したのか右手の扇子を広げて私に見せるように広げました。その扇子の和紙の部分には大きく『可愛いは正義』と書かれていて……いつ書いたんですか!?

「会長、お戯れはその辺にしてください」

「そう? しょうがないわね」

「会長?」

「なんだかんだと聞かれたら!」

「…………」

 私の呟きにその人がいきなり声を上げて虚さんがそれを可愛そうな人を見るような目で見つめています。えっと……頭がお花畑な人でいいんでしょうか?

「もー、虚ちゃんノリが悪い! 本音ちゃんだったら絶対ノってくれるのにー」
 
「早く本題に入りましょう。豪州代表候補のカルラ・カストさんでよろしいですね? 私は布仏 虚といいます。このIS学園の生徒会会計を務めているものです」

「は、はい」

 虚さんが右手で眼鏡を抑えながら自己紹介してくれました。
え、生徒会会計の人が会長って言ったってことはもしかして……

「そして私がIS学園の生徒会会長、更識(さらしき) 楯無(たてなし)よ。よろしくね、カストちゃん」

 やっぱりこの人が生徒会長さんだったんだ。あれ、更識……って。

「もしかして簪さんのお姉さん?」

「あ、簪ちゃんの友達? いやー、それは嬉しいねえ」

「会長」

「分かってる分かってる。そんでねカルラちゃん。少し頼みごとがあるんだけどいいかしら?」

 生徒会長が直々に私に頼みごと?
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