無印編
第十五話 裏 中 (なのは)
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、今はなのはが、なのはだけが隣にいられるはずなのだ。なのに、なのに、なのに、なぜ翔太の隣にいるのがなのはじゃなくて、アリサという少女なのだろう。
そこは、魔法という翔太に唯一勝る能力で得た場所なのに。どうして、何も持っていない少女がそこにいる。それがなのはにとっては許せないことだった。
だが、結局、翔太の家について、降り、手を振って別れても、なのははそのことを翔太にもアリサにもいえなかった。
「あ〜あ、でも、ショウも災難ね。あんたみたいなのに付き合わされるんだから」
翔太が降り、車が走り出した後で、後部座席の背もたれに身体を投げ出しながら、金髪の少女は本当に翔太を哀れむような声色で、嫌味ったらしくなのはに向けて言葉を発した。
だが、なのはにはその意味が分からなかった。翔太の親友というぐらいだ。もしかしたら、事情も聞いているのかもしれない。だが、それにしては、なのはに付き合っているという意味が分からない。なのはと翔太は、海鳴の街を守るために活動している過ぎない。それが、どうしてなのはに付き合うなどという言葉が出てくるのだろうか。
「どういうこと?」
実に端的になのはは尋ねる。だが、なのはのその返答が気に入らなかったのだろうか、さらに不機嫌になって言葉を続ける。
「なに呆けているのよっ! あんたがなくした蒼い宝石を捜してショウが毎日、塾まで休んで放課後付き合ってるんでしょっ!?」
微妙に事実とは異なるアリサの発言になのはは嗤った。嗤ってしまった。いや、これは嗤わずにはいられないだろう。
翔太の意図を理解したから。そして、先ほどの翔太の発言の嘘を理解したから。目の前の女の子の勘違いを知ってしまったから。
―――彼女は、翔太の親友なんかじゃない。
なのはにとって親友とはある種、神聖なものだ。友達すらいなかったのだから、当然なのかもしれない。何でも話せて、悩みも包み隠さない。それがなのはの想像する親友だ。だが、目の前の翔太に親友と呼ばれた女の子は、翔太に嘘を教えられている。それは、つまり、翔太が彼女を親友と認めていないということだ。
ならば、先ほどの発言はなんだろう? ということになるが、きっと翔太に無理矢理、親友と言わせているのだろうと思った。
翔太に無理矢理にでも親友と呼ばせ、その位置を確認している彼女が余りに滑稽でなのはは彼女を嗤うしなかった。クスクス、クスクスと。
だが、アリサはそんななのはが気に入らなかったらしい。明らかに憤怒とも言うべき表情を表に出していた。
「なによっ! なにがそんなに可笑しいのよっ!!」
「別に」
わざわざ教えてやる義理はない。しかも、翔太がそんな風に教えているのだ。それをなのはが訂正するようなことはない。せいぜ
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