無印編
第十五話 裏 中 (なのは)
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とを考えれば、そのメリットはなのはにとってデメリットにしかなりえないのだ。
だから、なのはが探査魔法を使えることは内緒であり、現在もユーノ一人で遅々として探査魔法を使って探索している。なお、これからの探索は、市街地に入り人が増えることもあって、さらに範囲が狭まり、時間がかかるらしい。
渋い顔をしていた翔太には悪いが、なのはとしては望むべき状況だった。
さて、市街地に入り、住宅街や自然が多い公園とは異なり、娯楽施設が増えてきた。例えば、ゲームセンターなど主たる例だ。なのはにとってゲームセンターなどは未知のものだ。一人でゲームセンターに入るような趣味もなかったし、友人がいなければ、一緒にゲームで遊ぶことはない。さらに言うと、興味がなかったため、ゲームセンターがどのような装いをしているかもあまり知らなかった。
なのはがゲームセンターの装いを知るようになったのは、ユーノが翔太にゲームセンターについて尋ねたからだ。ユーノがやけにUFOキャッチャーが正面においてある建物を見て、あれは何? と尋ね、翔太が答えたからこそ、なのはもゲームセンターの装いを知ることができた。
―――ああ、あれがゲームセンターなんだ。
一年生の頃、なのはがまだいい子であることを演じようとしていた頃、噂に聞いたことがある。だが、まだ幼稚園から卒園したばかり、小学校に入学した頃のなのはたちにとって、ゲームセンターなんていうのは、危険な場所という認識であり、本当に話でしか聞いたことがなかった。
だから、初めて見るゲームセンターにUFOキャッチャーともう一つ入り口からずらりと並んでいる箱が気になった。そこから出てきた同い年の女の子がきゃっきゃっ、ワイワイ言いながら楽しそうに何かを見ていたからだ。その光景があまりに楽しそうでなのはは思わず足を止めて見てしまった。
「ん? なのはちゃん、どうしたの?」
そのことに気づいたのか、翔太が足を止めて振り返る。そして、翔太がなのはの視線の先を追い、納得したように頷いた。
「ああ、プリクラだね」
「ぷりくら?」
その響きは聞いたことがあった。なのはのクラスメイトたちが休み時間にその『ぷりくら』とかいうものを貼った手帳を広げてお喋りに花を咲かせているのを見たことがある。
もちろん、今まで友達がいなかったなのははプリクラなど撮ったことはない。話には聞いていたが、どうやって撮るかも知らないし、どんなものかも具体的には知らなかった。
しかし、翔太がそんなことを知る由もない。なのはが視線で追っていたのをどういう風に勘違いしたのか、ポンと手を叩くと奇妙な提案をした。
「プリクラ撮りたいんだね」
女の子は好きだからね、とか零しながら、手馴れたようにゲームセンターに歩いていく。え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ