無印編
第十五話
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僕が公園からまっすぐ線を引き、ここら辺にありそうだ、と思った場所に丸をつけると、そこは何もない空間が大きく広がっていた。街から少し離れた場所だ。しかも、そこは僕もよく知っていた。なぜなら、一ヶ月に数回訪ねるような僕の友達が住んでいる家の近くなのだから。
「……忍の家の辺りか?」
同じく地図を覗き込んでいる恭也さんから、意外な名前が出てきた。
月村忍さん。すずかちゃんのお姉さんだ。気さくな性格で、少し内気気味なすずかちゃんと血の繋がったお姉さんとは思えない。もっとも、姉妹と思えないのは、性格的な面だけで容姿はとてもよく似ている。
「あれ? 恭也さん、忍さんと知り合いですか?」
「ああ、俺の友達だ。君もどうして忍を?」
「僕の友達のお姉さんですよ」
恭也さんも「ああ、すずかちゃんか」と納得していた様子だった。縁とは奇妙なところで繋がっているものだ。
さて、それはともかく、僕も恭也さんも結論は一つに達した。つまり、すずかちゃんの家の近くでジュエルシードが発動したということだ。何が起きたか分からないが、早く行かなければならない、という思いが僕の中で生まれた。
まだ、結界さえ張っていない状態なのだ。つまり、ジュエルシードに対する被害をすずかちゃんたちがこうむることになる。最悪の場合は、怪我だけではすまないかもしれない。それを考えると一刻も早く向かいたいものである。
その思いは恭也さんも同じなのかもしれない。忍さんという恭也さんの友人も巻き込まれているのかもしれないのだから。僕と同じような思いを抱いてもおかしな話ではない。
「ショウ、早く行かないとっ!!」
「タクシーが早いな。大通りに出ればすぐに捕まるだろう」
確かに、神社のときのように走って何とかなる距離ではない。むしろ、大通りならば、走るよりもタクシーのほうが早いはずである。
「行こうっ! なのはちゃんっ!」
「うん」
どこか、少しだけ意気消沈したようになのはちゃんは頷く。一体、どうしたというのだろうか? さっきまではあんなに元気だったのに。
「なのはちゃん? どうかした?」
「ううん、なんでもないよ。それよりも、ジュエルシードを早く封印しないと」
先ほどの意気消沈した声が嘘のように明るい声を出して、先ほどの言葉を否定する。本当ならもう少し気に掛けたいところだが、なのはちゃんが元気なら、なのはちゃんの言うとおり、確かにジュエルシードの方を優先すべきだろう。
僕たちは、大通りでタクシーを拾って一路、月村家の邸宅へを向かった。
◇ ◇ ◇
さすがに目的地を告げると車は早い。車があまり混んでいないこと、信号もあまりないことが幸いした。このまま行くと目的
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