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リリカルってなんですか?
無印編
第十五話 裏 前 (なのは、忍、すずか)
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アリサと翔太であることが殆どであるからだ。小学生だからだろうか、男女のこだわりは殆どないようだ。それが今日に限ってはアリサだけ。翔太はどうしたのだろうか。

 ―――蔵元翔太。

 忍にとっては不可解な子供である。小学生の割りに態度は、とても子供とは思えない。ちょっと生意気な子供とも違う。子供という免罪符をかざして生意気な子供が多い中、目上の人への態度をわきまえたような奇妙な子供。それが忍の翔太への認識だった。

「ねえ、ノエル。ショウくんが私たちの秘密を知ったらどういう態度を取るかしら?」

「蔵元様ですか? あの方ですか。あまり想像がつきませんね」

 不意にそう思った。忍が恭也を見たときは、すぐに彼女の秘密を受け入れてくれると理解した。それは、彼の心の底で持つ闇を直感的に理解したからだ。同族のような匂いを嗅ぎ取ったといっても良いかもしれない。
 一方で、翔太はどうだろうか。残念ながら、忍の嗅覚が翔太の異常を嗅ぎ取ることはできなかった。翔太は、少し大人びた態度を取る奇妙な小学生である一般人だ。
 だが、夜の一族である彼女たちが常に裏の世界に存在するものたちだけを契約の対象にしてきたわけではない。むしろ、一般人が大半だ。もっとも、契約にたどり着けるような一般人は極少数だが。

「さて、すずかは一体どうするのかしらね?」

 姉としては、願わくば妹が彼に秘密を打ち明けたときは、彼が笑顔で受け入れてくれますようにと思うだけである。

 さて、いよいよテレビも飽きてきた。この手のバラエティー番組は、もう少し年を得てから見るものであり、自分のような若者が見るようなものではない。その結論に至ると忍は近くにおいていたリモコンで、テレビの電源を切った。
 テレビの電源を落としてしまうと忍の周囲は本当に静かになってしまった。小さなBGMとして妹たちの笑い声が聞こえる程度だ。

 しかしながら、テレビに飽きて電源を切ってしまったのはいいのだが、これから何をしよう、と忍は思案した。
 今日は恭也に覚悟を決めさせるためのお茶会ぐらいしか本当に用意していなかったのだ。それが叶わなければ、友人が少ない忍のすることなど、大学の教科書を広げるか、最近取った免許を生かして車を走らせるぐらいしかない。

 本当にどうしたものか、と思案する忍。そこへ先ほど席を外したノエルが、少し慌てた様子で部屋に駆け込んできた。普段、冷静な彼女が慌てるなんてよっぽどだ。何かが起きたに違いない、と確信した忍は気を引き締める。

「お嬢様、侵入者です」

 冷静な従者から告げられた一言は数年に一度あるかないかの一大事だった。



  ◇  ◇  ◇



「ねえ、ノエル、あれ、何に見える?」

「私には猫に見えます」

「そうよね
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