無印編
第十四話 裏 (アリサ、なのは)
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省していないのかもしれない。もしかしたら、また翔太を傷つけるかもしれない。もしかしたら、今度はもっと酷いことをするかもしれない。
様々な不安がこみ上げてくる。
だがしかし、翔太は既に解決しているという。ここで、なのはが翔太を疑い、問いを続けることは、翔太を信じていないということだ。万が一、そう問い返して、翔太になのはが彼を信じていないと思われ、嫌われでもしたら、事だ。
せっかく、幸いにして昨日、翔太とずっと一緒にいられる策がなったというのに。ここで翔太に嫌われたら、小さな確率で成功した策も水の泡となり、昨日のような絶望を再び味わうことになるのか。そして、また、あの一人孤独に海を眺めるような日々に戻るというのか。
既に翔太という友人を持つことで得た甘い蜜を吸ってしまったなのはには、その絶望は耐えられそうになかった。その絶望を再び味わうと想像するだけでも心が拒否反応を起こす。
だから、なのはは翔太を傷つけた誰かに対する『許せない』という思いにきつく蓋をして心の底に沈めた。そして、これからの翔太と一緒にいられる時間だけを思う。それだけで、なのはの顔には笑みが浮かんでくる。
「うん、ショウくんがそう言うなら」
そう、翔太がいうなら、この大きな思いにだって蓋をしてやる。
翔太はなのはの答えに満足したのか、安堵の息を吐くとなのはが一番大好きな笑みを浮かべて、先を歩き出す。
「よかった。それじゃ、今日も頑張っていこうか」
「うんっ!」
翔太の後を追って隣に立ち、歩き出すなのは。
――――さあ、今日もなのはの待ち望んだ楽しい楽しい時間の始まりだ。
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