三話〜なぁにこれぇ?〜2月24日修正
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い時のようなもどかしさが俺に襲い掛かる。
転生前にリリカルなのはを多少見たことはあるが、さすがに35年も経つとほとんど覚えていない。ああ、気持ち悪い。思い出せそうで思い出せないのは本当に嫌だ。
いち早くこのもどかしさを解消するために、この声の居場所を探す。
ようやく、机の上に置いてあるのを椅子を踏み台にして見つけた。
機械的な声の正体は、紫色のビー玉だった。
……ああ! そっか。思い出した。デバイスだ。
疑問が解消すると同時に他の情報も芋蔓的にいくつか思い出した。
デバイス。それは魔導士が魔法を簡単に使うための機械であり、カード型や杖型など他にも多彩な形のデバイスがあるが、普段は目の前にあるこのデバイスのようにビー玉くらいの大きさになっているものが多いという。また、デバイスにはインテリジェントデバイスとストレージデバイスの二種類があり、所持者の動きに合わせて勝手に補助をしてくれるAI搭載付きのデバイスがインテリジェントデバイス。所持者の動きに合わせて補助などはしてくれない代わりに、インテリジェントデバイスに比べて処理が速いことから、魔導士の実力によって左右されるストレージデバイスの二つ。
確か、こんな感じのものだったろうか。
デバイスらしき物をあらためて確認すると細い鎖に紫色のビー玉のような物が通されている。まあ、腕とか指に着けるよりはましだろうか。
そして、このデバイスはほぼ確実に神が用意したものと考えていいだろう。
この部屋の生活感の無さや、この周囲から全く人の気配がしないことから、この部屋は俺のために用意された。そう考えればこの部屋にあるデバイスもあるのは不自然ということになり、自動的にこれも神が用意した物ってことになる。
イルマが神に俺用のデバイスも用意しろと言っていたから間違いない。
「んで、お前が噂のデバイスなのか?」
ほぼ、確信しているが一応確認のために聞いてみる。
『はい。ですが、まだマスター認証をしていないので早くしましょう』
マスター認証? そんなものあっただろうか。
「……そのまま使うことは出来ないのか?」
『……』
「……?」
『わ、私はマスターのデバイスでは……な、ないのでしょうか? いえ! 別に私はいいのです! どうせ私は神に生み出されたマスター専用に作られたデバイス……。ただそれだけのことですから。……うぅ』
……なぁにこれぇ?
何この無駄に感情が籠められたデバイス。
っていうかその女子高生みたいな声でそんな風に涙ぐんだ雰囲気出さないでくれよ。
どうしていいか困ってしまうだろう。
「あーはいはい。泣くなよ。罪悪感が湧くだろ?」
『すみません。……それに泣いてません。私はデバイスなので泣くはずがありません』
「まあそれはいいから、マスター認証
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