二話〜ゴートゥー転生の間〜 2月24日修正。
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ただ、この女性は俺を見ているだけなのに体は逃げる体勢を取れと全力で信号を発している。俺よりも実力は遥かに高いらしい。
断言出来る。俺では本気を出しても百回挑んで百回殺される。
その、どこか人間離れした雰囲気を纏う女性が重々しく口を開いた。
「すみません。あなたは私のミスで死んでしまいました」
「いや、俺死んでないんですが」
そもそも、そちらのミスで死んだのなら、俺に伝えに来るのが遅すぎるだろう。
何十年前だと思ってるんだよ。
反射的にそう返すと光の玉4つは、小刻みにブルブルと震え、女性は俺に憐れむような目を向けながら言ってきた。
「最初は皆そう言うんですよ。門音邦介さんの死因は……熊に殺されたことになっています」
「ああ。確かに覚えはありますが、それって確か……35年前の事ですが?」
「そうでしょう?………て、っええ!?」
女性が驚くのと同時に光の玉はまるでその女性の反応を楽しむかのようにクルクルと回る。
慌てて、机に置いてあるファイルをペラペラと捲る様を見ながら少し口を歪むのが感じる。
……しかし、そうだったか。さっきのファイルの内容で思い出せそうな事が分かったぞ。
これ、テンプレってやつだ。
―――ある日、事故で死んだ、明日に向けて眠って、起きるとそこには何も無い空間が。ぼんやりと待っていると、どこからともなく神様が「自分のミスで死なせることになってすみまんでした」というような謝罪文とともにやって来て、そのお礼として特典として三つくらい願いを叶えてあげよう。そしてアニメの世界に転生してもらうよ! そこで転生者達はチートやハーレムでうっはうっはなことに―――
なんて内容の小説をネットでいくつも見ていたんだった。
何度も見ていたからあんなに濃く覚えていたんだろうな。
「ええと……ちょっと待ってね。もう一回調べなおしてみるわ。……何? え? あなた達の親友?」
光の玉に話し掛ける姿に少し引きつつも、俺の親友だという内容に思わず眉を顰める。
俺の親友に光の玉なんていただろうか。
「あなた、今はテオ・ウィステリアでいいわね。 イルマ、アキラ、ヤタ、リサ。……この言葉に覚えはあるかしら?」
「全て。何故お前が知っている」
「そんなに殺気立たないで。その子達の魂がこの4つなのよ」
「……本当か?」
『本当だよ。テオ君』
「その声は秋風さん!?」
『ふふ、久しぶりだね』
懐かしい声がした方向を見るが、同じ形の光の玉がぐるぐるとランダムに回っている。
声の出所を割らせまいとしているのだろうか? 悪戯好きなあいつららしいと言えばあいつららしいか。
「それにしても何でここに? ってかここ何処だよ。イルマの言うとおりにしたらここに着いたんだが」
『うん。なんか死んだ
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