切嗣さんが可愛いお姉さんを召喚しましたー
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を寄越す
神秘を成すための行い。それをなす呪文と共に脈打つ心臓
もはや自分は、神秘を成すための一つの機械
只々紡ぐ言葉に集中し、辺りなど意識から外す
廻り巡らす魔力。自然と紡ぎ、紡がれる言葉を連ねる
「汝三大の言霊を纏う七天。抑止の輪より来たれ――――」
アイリの姿が視界から消える
視界が黒に染まる
今この場にいるは己のみ
機械と成したこの身が今、奇跡を起こす
「――――天秤の守り手よ―――!」
風逆巻き稲妻が轟く
光が、満ちた
一つ、話をしよう
ある王国の、王女だった女性の話だ
彼女は探求者だった
叔母から魔術教えられ、元からあった自身の才を持って高みを目指していた
魔術師の悲願。根源への到達を目指して
しかしある時、彼女はその心臓に一本の矢を射られてしまう
それは恋の矢。ある女神が、贔屓する一人の男性を助けるために放った神の呪い
この時、彼女がこれを拒み切れていれば、恋に飲まれずにいれば彼女は全てを失わずにすんでいたであろう
だが彼女はそれによって呪いにかかり、男性への恋慕に身を焦がれてしまう
そしてその愛によって彼女は、愚かな選択をしてしまう
それは肉親を殺すほどの。全てを失うほどの選択を
それは、彼女が目指していた高みを挿げ替えてしまうほど
悲願を達成するための魔術を、唯の道具にまで落とさせるほど呪い
彼女を、魔術師から魔術使いにまで叩き落とした
心に刻まれた呪いに従い、彼女はそれまでに修めた魔術の知を用い、男性を助け始めた
男性の望みを助け、国の宝を持ち出すことを助けた
追っ手を止めるために、身内を殺した
しかし、その余りの過激さに男性は、彼女を捨て新しい女性と結ばれようとした
彼女はそれに怒り、その彼女を殺した。それどことか、男性との間にいた自らの子も殺した
そして彼女は男に捨てられ、嘆きに飲み込まれた
呪いに心とらわれ、男を見捨てられないが故に全てを失った悲劇の女性
悲願を利用され、その知を持って悲劇の路を歩いて行った、魔術使いとなった女性
利を捨て身内の情を捨て、呪いに身を捧げた哀れな犠牲者
全てに恨まれながらも呪いに突き動かされた、「裏切り」の名を冠された稀代の魔女
全ての魔術的繋がりを“切り”離す、一つの礼装を持った神代の魔導師
英雄などとは程遠い、反英雄とされた堕ちた魔術使いの話だ
光が満ち、稲妻が轟く中、描かれた陣の中央から一つの影が浮かび上がる
その場にいる二人、切嗣とアイリは理解した
これは、本来人間が使役できるものなどではないと
使役して良いはずの物ではないと
その身に満ちた神秘は至上の物。た
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