IF 聖杯戦争四次五次
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礼呪と呼ばれる参加の資格を一撫でし、陣に向け手を翳す
イメージするは、心臓を貫くナイフ
全身の魔術回路を起動させ、魔力を流す
陣が輝き始めるのと同時、言葉を紡ぐ
「告げる―――」
心臓は早打ち、既に自身は一つの回路
魔術と言う人外の技を成すための機会に過ぎず
「――誓いを此処に。我は常世全ての善となる者。我は常世全ての―――」
痛みを訴える痛覚を無視し、一つの部品として言葉を紡ぎ続ける
もはや、周囲など意識から外れている
神秘を成すための一つの回路として、只々呪文に集中する
「―――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ」
背負う物を考えるのなら、止まるわけにはいかない
自身プライドの為、そしてひたすらに自らを責め続ける一人の兄弟子の為
そして何よりも、遠坂としての悲願の為に
「天秤の守り手よ―――!」
その言葉と同時、陣はこの世ならざる場所と繋がる
吹きすさぶ風と稲妻が辺りを照らす中、眩いばかりの黄金の輝きと共に陣の中央から一つの影が浮かぶ
分かる。それが人ならざるものだと
本来人が使役など出来るはずのない、上位の存在だと
「問おう――」
そして凛は確信した
最優を引き当てたと
勝利するのは自分だと
地下に、声が高らかに響き渡る
「―――汝が我を招きしマスターか」
「来たか、凛」
「ええ、宣言通り来たわ」
その日の日が変わる前の深夜、凛は教会へと訪れていた
監督役をしている兄弟子へ、参加の報告をするために
「サーヴァントはどうした?」
「それなら、外で待たしてるわ。呼べば直ぐに来るけど」
「……その様子なら問題なく呼べたようだな」
「当たり前でしょ。だから、あんたの手助けなんかいらないわよ」
助力などいらないと先に言う
そうでもないとこの兄弟子は、いらぬお節介を焼くかもしれないのだから
「そうか、それは何よりだ。―――では、問おう、遠坂凛よ。君は此度の聖杯戦争に参加することを望むかね」
「―――当然。私は今度の聖杯戦争に勝利し、父が成せなかった悲願を達成して見せる」
こちらの答えに、綺礼は首肯する
「よかろう。第五次聖杯戦争監督役とし、遠坂凛の参加を承認する。これで登録は終わりだ。もっとも、君以外のマスターは一人しか来ていないがね」
「来るだけ驚きよ」
「いい意味でも悪い意味でも、彼女は真っ直ぐだからな。愚直と言うべきか」
「綺礼の知り合い?」
「まあ、そんな所だ」
誰だか知られぬよう、来ないのが普通だ
凛としては真っ向勝負で勝ちきれる自信がおるのと、兄弟子という事で報告に来たのだ
それだというのに自分以外に
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