IF 聖杯戦争四次五次
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れない
そんな自分を、きっと彼女は苛立ちの眼で見てくるだろう
「済まない。そんなつもりはなかった。……そうだな、凛なら問題はないだろう。せいぜいポカに気を付けることだ」
『言われるまでもないわね』
「……もしも、だが、何らかのミスがあれば教会に来ると良い。かつて果たせなかった盟約に代わり、全力で君の力に成ろう」
『おあいにく様。そんな事にはなりませんよーだ。次に行くのは、聖杯戦争の参加者として。正規のマスターとしての報告よ。監督役の力なんか借りるつもりはないわ』
規律を重んじる凛の事だ、その言葉に嘘はないだろう
そもそもズルをして勝つ、等と言った考えを好まない彼女だ
だからこそそれ以上言わず、伝える事だけを口にする
「既に召喚されているサーヴァントはランサー・ライダー・キャスター・アサシン・バーサーカーだ。早い報告を祈る」
『セイバーを連れて、直ぐに行くわ。待ってなさい』
そして最後に、付け足すように言葉が続く
『……あれはどうだった?』
「何も。すまないが、何もなかったよ凛」
『そう……また、持って行くわね』
ツー、ツー、ツー……
その言葉を最後に電話は切れる
きっと彼女なら宣言通り、最優の当たりを引いてくるだろう
ならば自分は、それを待っていればいい
そう思い、綺礼は残してあった執務を行うために部屋を出る
(もし……もしもだが、彼女が何らかのミスをするというのなら――――)
―――彼さえも動かそう
そう、綺礼は誓った
丑三つ時の深夜、遠坂凛は自宅の地下にいた
開けたそこの地面に、液体を垂らしていく
それは溶けた宝石。宝石魔術の遠坂において、魔術の媒体となりうる触媒の滴
いくつもの石を溶かしたそれで、一つの紋様を描いていく
それは陣。円を基本とした、召喚の陣。聖杯戦争を始めるための、始まりを告げる魔術
「これで……よし」
描かれたそれに間違いがない事を確認し、小さく頷く
そして、用意した時計を見る
針が示しているのは2の数字。自分にとって、もっても調子がいい時間帯だ
(ここでミスしたら、あいつに笑われるわね……)
昼に電話で話した相手を思い出す
注意されたというのにミスしたら、合わす顔が無い
眠気もない、体調も万全。時間帯もいい
余計な魔術の誤作動を起こさないよう、いらない道具の類も持っていない
これならイケル。そう確信する
「さて、じゃあ始めますか」
聖遺物は用意していない
なくとも、サーヴァントは術者の力量に会った物が現れるはず
ならば、自分が引く者が最優で有らぬはずがないのだから
最後に一度、自分の手の甲を見る
そこに浮き上がる紋様を。
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