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手を、握りしめた。


―――これは正史とは違った物語。一人の少女が手を取った男の子が、変わった世界の御話。











「生徒会長が副会長を襲うか。中学生にしては早すぎではないか? それと死体愛好家だとは知らなかったぞ禊。気持ち悪いから今後近寄るな」
『風紀委員長が生徒会長にそんなこと言っていいのかい? それに近寄るな、なんて傷つくじゃないか。僕はただ彼女への愛を確かめたかっただけだよ。何が悪いのさめだかちゃん。もう、嫉妬しちゃやだぞ☆』
「ふむ、まあそれはどうでもいいし、気持ち悪いことを言うな。取りあえず私は自分の仕事をさせてもらうぞ。――――歯を食いしばれ禊」

 風紀委員長としての仕事として弾劾するめだかに、殴られる球磨川。下される決定は転校と言う名の追放。





「なんで傷が開かねぇ!?」
『他人の古傷を開く、か。うん、実に気持ち悪い。そう思わないめだかちゃん?』
「知ったことか。下らないことを言ってないですることをしろ禊。体中が痒くてたまらん」

 転校先で仲間を見つけて回る球磨川について回るめだか。二人が通った後に残る者は無し。





「面白そうな所があるのでな、少し行ってくる。何、三年ほどだ」

 片割れの少女が行く先はフラスコの中。そこに少女は何を見るのか。





「なかったことにはしない、ですって? 下らない。あの人は私がしたことを全てなかったことにしてくれます。私が抱きしめ死なせてしまったウサギも、握りしめて腐らせてしまった手も、無くしてしまったもの全て。私が腐らせてしまった全てを無かったことに(助けて)してくれるんです。私の犠牲者たちに何一つ無くせず、失ったものをただ受け止めるしか出来ないあなたがあの人を馬鹿にしないで下さい」

 決意を込めた少年の言葉は、けれど正史とは違い少女の心を揺るがせはしない。





「よかろう、球磨川禊と黒神めだか。貴様らの――――――と――――――、その−を徴収し王(オレ)の財としてやろう」

 地下にて相対するは一人の王。無欠の【世界】。語り部を持たぬ彼は、それ故絶対の孤高として君臨した。



 正史にて語り継がれた彼らは身を潜め、此度演ずるはまさしく道化の一団。
 その先に物語はどうなるのか、それは神のみぞ知る。










『一番球磨川! うったいまーす!! アンイ<自主規制>――――』
「次オレな、オレ。おい、我俄丸機械寄越せ!」
「あなたはさっき歌ったばかりじゃないですか。次は私ですよ」
『――僕ら<見せられないよ!>』
「その曲は次に私と向江で歌うやつだ。先に歌わせろ」
「その、めだかさん。私カラオケは余り……そ
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