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ソードアート・オンライン〜幻の両剣使い〜 【新説】
第1話 β版テスター
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、俺が生まれた時には天才や神童と呼ばれていた。

 俺が生まれた時、兄は8歳であった。その当時から簡易的なプログラムを開発できていたし、量子力学に興味を示し始めていた。

 これは、間違いなく父親の影響といって間違いなかった。父は、量子力学者であった。そのため家には千を超える量子力学に関連した本が貯蔵されていた。それを兄は見ていたのだ。

 そうして、兄・茅場晶彦は若干18歳。大学1年で既に、業界では大手ゲームメーカー”アーガス”に入社し、億を超える年収を手にしていた。

 元々、”アーガス”は、小さいゲームメーカーであった。兄はそこに自分で作ったゲームプログラムを売り込んだ。そうしたところ、そのゲームは爆発的に売れ、一躍”アーガス”は大企業となったという経緯がある。

 俺はといえば、兄がそんな活躍をしているなか、両親と一緒にアメリカに住んでいた。

 どうやら俺自身にも、才能があったらしく、しかもその才能というのが異常なものだったのだ。なぜかわからないが、勉強したものが全て頭の中に入っていくのだ。例えば、父の貯蔵していた本を一字一句も間違えずに言うことができるし、何か機械を見た場合、一瞬でその用途やその設計図が頭の中に浮かんで来たり、自分でも気持ち悪くなるほどだった。

 しかし、それが俺にもたらしたのは孤独というものだった。

 いつの世でも、天才と呼ばれ歴史に残る人が存在する。きっと兄である茅場晶彦は、そういった存在の1人だと思う。その兄を見ていればわかる。彼は孤独で、いつも人の一歩先を歩んでいた。それに人は、尊敬するが、同時に畏怖さえも覚えさせるのだ。嫉妬、憎しみ、それこそ負の感情をただ天才であるがゆえに受けなくてはならない。だからこそ、天才は孤独なのだ。

 それは俺にも当てはまった。日本という国では、普通というものを尊重し、子供を教育していく。だが、俺にはその普通が当てはまらなかった。兄もそれは同様であった。普通に成長し、普通の社会人になるように教師たちは、努力する。それは、自分もそのように教育され、それが正しいことだとおもっているからだ。

 人間は誰にでも、長所と短所がある。例えば、英語はできるのに数学ができない。かっこよくて、テストでもトップになるような奴でも性格が悪かったり。それが個性と呼ばれるものだ。

 俺の場合、長所は頭が良いの一言だ。それならまだよかった。俺は、頭が良すぎたのだ。もはや異常と日本の教育において位置づけられた。そして、そんな俺をどうしたらわからない恐怖に教師たちは、才能を押さえつけようとした。

 教師がそんなことをすれば、それを生徒たちが気づかない訳がなかった。異常だと、誰にも思われた。見かねた父が、能力次第で飛び級をすることが出来るアメリカに引っ越しすることを決め
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