第十話 報酬と贈り物
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をお認め下さい。それによる反乱軍とのトラブルについて国家に泣きつく様な事はしません」
親っさんの言葉に金髪が微かに苦笑した。
「……なるほど、反乱軍との交易の権利を求めたのはこれが理由か。フェザーンがフェザーン回廊の使用を独占するなら卿はイゼルローン回廊を独占するか……。面白いな、反乱軍との間に交易が成立するかな、すればフェザーンの足元が揺らぐが……」
金髪が笑っている。楽しそうに笑っている。そして親っさんも笑い出した。
「いずれ反乱軍は無くなる、そうでは有りませんか」
「……」
「今回の内乱で反乱軍は一個艦隊を失いました。弱体化した軍事力はさらに弱まった。そしてイゼルローン要塞を失った事で彼らの領域への門は開いたのです。国内態勢が整えば何時でも攻め込めます」
金髪が親っさんを見ている。もう笑っていない、金髪も親っさんもだ。
「銀河の統一か……」
「不可能とは思いません。そろそろ百五十年続いた戦争を誰かが終わらせるべきでしょう」
親っさんの言葉に金髪が笑みを浮かべた。何かとんでもない話をしているな、銀河統一かよ、金髪がやるのか? ケチな所を治さねえと難しいと俺は思うぞ。
「そうだな、終わらせるべきだ。だがその前にこの帝国の覇権を握るとしようか。幸い卿がリヒテンラーデ公粛清の大義名分を与えてくれた」
そうだよな、これも親っさんなんだよ。ホント、親っさんって凄いぜ。軍に残ってたら元帥とかになって金髪の事を部下にしていたんじゃねえかな。気前の良い元帥だったろう、渋るとか絶対なかったと思うぜ。
「では私達は辺境へ戻らせていただきます」
「オーディンには来ないのか」
訝しげな金髪の声に親っさんが答えた。
「イゼルローン要塞には約三百万の捕虜が居ます。身代金を受け取って家族の元に返してあげないと」
「三百万……」
「一人二十万帝国マルクとして六千億帝国マルクは頂きたいと思っています」
「六千億……」
六千億! ス、スゲエ、ウルマンもルーデルも目を白黒させている。いや彼方此方で六千億って声が聞こえる。
金髪がいきなり笑い出した。
「黒姫一家があこぎと言われる訳が分かった。身代金で六千億帝国マルクか。相場の倍ではないか、暴利だな」
おいおい、相場って、帝国軍最高司令官が身代金の相場なんて覚えてどうすんだよ、嫌な奴だな。
「そちら様からは一帝国マルクも頂いてはおりません。その分も頂きませんと……」
また金髪が笑った。
「私の分も向こうへ押し付けたか。反乱軍も踏んだり蹴ったりだな」
お前がケチだからだろ。親っさんだってお前に金請求するの諦めたんだよ。お前、後で反乱軍に謝るんだぞ、ケチでごめんねって。それから後で潰しちゃうけどそれもごめんねっ
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