第十話 報酬と贈り物
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けますぜ。
「子々孫々か……。なるほど、卿が何を考えているか分かる様な気がするな」
「ただの感謝状です。そのように難しく考えなくても良いと思いますが」
金髪よー。そんな変な目で親っさんを見るなよ。お前がケチだから親っさんは感謝状なんてもんを要求してるんだぜ。ここは一発、お前のほうから金を払うとか言ってみろよ……、無理だよな……。
「良いだろう。だが私は卿らのために特別な事はしないぞ」
「有難うございます。黒姫一家はこれからも閣下の忠実な協力者である事を御約束いたします」
どうしたんだろ、親っさん、お金貰わないなんて。まあウチは今景気が良いから無料奉仕ってことか。しかしなあ、金髪は癖になりますぜ。将来的には良く無い様な気がしますけど。
親っさんが契約書を差し出し金髪がサインしている。あーあ、これで今回の取引は完了かよ。後は感謝状を二枚貰うだけか……、金髪の野郎、丸儲けだな。俺達をただで使いやがって、笑いが止まんねえだろう、嬉しそうな顔してるもんな。金髪の部下も嬉しそうにしている、こっちは泣きたくなってきたぜ。親っさんって金髪には甘いよな。
「今回の戦勝を祝しまして我ら黒姫一家より元帥閣下に贈り物を用意致しました。御笑納頂ければと思います」
「ほう、贈り物か」
はあ? 親っさん、ただ働きの上に贈り物って、勘弁してくださいよ。何なんです、これ。大体金髪もその部下も変な顔してますよ、俺達からの贈り物なんて喜んでいませんって。
「イゼルローン要塞でございます」
「……」
え、何それ、イゼルローン要塞ってあのイゼルローン要塞? まさかね。……新しいフェザーンの玩具かな、何万分の一のサイズの模型とか。皆、固まってる、金髪も変な顔をしてるな。ウルマンもルーデルも変な顔をしてる。多分俺も変な顔をしてるだろう。イゼルローン要塞って何だ?
「イゼルローン要塞、と言ったか?」
「はい、イゼルローン要塞と言いました」
おいおい、なんかざわめいてるぜ。金髪の部下達が彼方此方で小声で喋っているし顔も引き攣ってる。金髪、お前も引き攣ってるぞ、大丈夫か? 平然としているのは親っさんだけだ。親っさん、本当にイゼルローン要塞を贈るんですか? あれって反乱軍の物ですよ。
「あれを、攻略したのか?」
声が掠れてるぞ、目が飛び出そうになってる。
「はい、攻略しました」
え? 攻略したの? 本当かよ? ウルマンもルーデルも興奮してる、っていうか興奮してないのは親っさんと副頭領だけだ。え、ホントなの。
「帝国も反乱軍も国内が内乱状態にあり相手に構っている余裕は有りませんでした。そしてイゼルローン要塞のヤン提督は国内の内乱鎮圧のため要塞を離れています。イゼルローン要塞は無防備な状態にあったので
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