第八話 これが歴史です
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ま式場に入った。説得したんじゃねえよ。いや、あれも説得の一種なのかな。親っさんが野郎にブラスター突きつけて脅しあげたんだ。野郎、最後は蹲って泣いてたぜ。無理もねえな、俺だって親っさんが野郎を殺すんじゃないかってビビったくらいだ。親っさんって怖いよな、ニコニコしながら脅すんだから。あれが出来るのは親っさんだけだ
俺達が入ると皆妙な目をしてこっちを見た。唯一俺達に好意的な目で見たのはのっぽだけだぜ。奴さんは親っさんの親友らしいからな、嬉しいぜ。親っさんは何も言わずに式場の端の方に向かった。納得いかねえよな、連中は式場の中央で俺達は端かよ。でもまあ親っさんが決めた事だからな、しょうがねえか。
金髪が入って来ると左右に分かれた軍人達が皆敬礼した。こういうの見ると軍人って格好いいよな。俺達も何かすべきなのかなと思ったけど親っさんは何もしないしな、ただ黙って見てたぜ。金髪の野郎、俺達を見てちょっとムッとしてたな。相変わらずちいせえ男だぜ。親っさんを見ろよ、背はちいせえが人間はデカいぞ。
捕虜が連れてこられて金髪が処分を決めている。死罪と言われて泣きながら引き摺られて出て行く奴もいれば部下になる事を許され式場に留まる奴もいる。こうしてみると金髪もスゲエな。これでもう少し気前が良ければなあ、ケチなのが欠点だよ。それさえなければ親っさんとだって上手く行くのに。
何人かの処分を下した後、式場に入ってきたのは妙な野郎だった。黒髪の冴えない中年男がガラガラ音を立てて特殊ガラスケースと一緒に入って来たんだ。何だ? と思っていると親っさんがタンタンと腰のブラスターを叩いた。皆、顔を見合わせたよ。親っさんがブラスターを叩いたって事は注意しろって事だ。そんな滅多に有る事じゃねえ。慌てて気を引き締めなおしたぜ。
周囲から変な笑い声が聞こえる。この中年男を笑ってるんだろう、なんか嫌な感じだぜ。中年男が俺達の前を通り過ぎようとした時だった。親っさんがブラスターを抜いて一歩前に出た。
「そこまでです、アンスバッハ准将。止まりなさい」
男が足を止めて親っさんを見た。親っさんはブラスターを男に向けている。
「何のマネだ」
低い落ち着いた声だ。ブラスターを向けられても全然怯えてねえ。こいつ、かなりやばいぜ。
「全員ブラスターを構えなさい」
親っさんの指示に慌ててブラスターをブッコ抜いて男に向けた。それでも野郎は少しも動じない。無表情に黙ってこっちを見ている。
「どういうことだ、黒姫」
金髪が声を出した。野郎の部下も不審げな顔をして俺達を見ている。親っさん、大丈夫ですよね、ブラスター向けたのは間違いじゃないですよね。
「アンスバッハ准将は降伏などしません。彼がここに来たのは閣下を殺す為です」
式場の中は一気に騒
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ