第六話 キフォイザー星域の会戦(前篇)
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これを撃破せよとの命令が出ています』
「なるほど」
『戦う前に補給を済ませておきたいと思います』
「合流場所はアルメントフーベルで宜しいですか」
『そうしていただけますか、お願いします』
赤毛との通信が終わると親っさんは補給の準備をするように指示を出した。バッカニーアの中は皆興奮してる、何と言っても五万隻の敵だからな、しかもリッテンハイム侯が出てくる。これまでみたいな小さな戦いじゃない、大会戦は必至だろう。どんな戦いになるのか……。
「親っさん、戦場はどの辺になりますか」
ヴェーネルトがちょっと頬を紅潮させながら親っさんに声をかけると親っさんはチラッとヴェーネルトを見て苦笑した。しようが無い奴、そんな風に思っているのかもしれない。
「キフォイザー星域になるでしょう。リッテンハイム侯はガルミッシュ要塞を根拠地としてキフォイザー星域から辺境制圧を目指す筈です。キルヒアイス提督はリッテンハイム侯をキフォイザー星域で撃破しそのままガルミッシュ要塞を攻略する……」
うーん、なるほどな。だからアルメントフーベルで補給を済ませるのか。やっぱり軍人として教育を受けているせいだろうな。親っさんにはスラスラっと流れが見えちまう。赤毛も了承したって事は赤毛にも見えたって事か。俺なんざ、言われてみてなるほど、だもんな……。少しは見習わないと……。
「キフォイザー星域には私達も行きますよ」
親っさんの言葉に皆が驚いた。俺達は今回の内乱、これまで戦場には出ていない。あくまで補給の支援だけだった。それが戦場に出る、皆顔を見合わせた……。
「戦うんですか、親っさん」
ウルマンの質問に親っさんがクスクス笑いだした。親っさん、頼みますよ、笑うのは止めてください。寒くて仕方ねえや、またとんでもねえ事考えてるでしょう。
「キフォイザー星域の会戦はリッテンハイム侯にとって最後の戦いになるでしょう。というわけで私達はリッテンハイム侯の奮戦ぶりを観戦しに行くのです。観戦者は私達くらいしか居ないでしょうね。記憶に残る戦いぶりになると思いますよ、名勝負にはならないかもしれませんが……」
そう言うと親っさんはまたクスクスと笑い出した。さ、寒い……、皆引き攣ってますぜ、親っさん……。
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