第四話 リップシュタット戦役
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な話だ。貴族に殺されかかった親っさんを先代が助けた。軍人から海賊への転身は少なくない、でも一年未満で組織の頭領になったのは親っさんだけだ。そして一家は帝国でも屈指の海賊組織になっている。
「相手は誰だ」
「……カストロプ公、もう死んだよ」
「……おい、まさか」
「私が関与してるって噂が流れているらしいね。でも私じゃない、マクシミリアンの反乱にも関係していない。……儲けさせてもらっただけだ」
「エーリッヒ……」
親っさん、儲けすぎたからな。あの戦争が終わった後だけど親っさんがヤリ手過ぎるって声が上がった。カストロプの一件も親っさんが何処かで関係してるんじゃないかって言われてる。親っさん、貴族の生死に妙に鋭いからな。失礼な噂だよ、親っさんはそんな事はしてねえぞ。
少しの間沈黙してたけど親っさんが笑みを浮かべて話しかけた。
「私は嫌われているらしいね」
「嫌われているし認められてもいる。ローエングラム侯はヤン・ウェンリーよりも卿の事を気にかけているよ」
「おやおや。私は味方なんだけどね」
「そう思っているのは卿だけだ」
また二人が笑った。良い感じだな、親っさんも楽しそうだ。
「十五億帝国マルクもふんだくるからだ」
「これでも安くしたんだけどね」
「元帥閣下はゲルラッハ財務尚書に頭を下げて頼んだそうだよ。随分嫌な思いをしたらしい」
「内乱が終わった時にはもっと大きなものを貰うさ。楽しみにしているんだね、また会おう」
そう言うと親っさんは歩き出した、俺達も後に従う。皆の顔を見た。皆、楽しそうな笑みを浮かべている。
「副頭領、楽しみですね」
「そうだな、楽しみだ」
副頭目とウルマンが小声で話している。そうだよな、俺も楽しみだ。親っさんが何を貰うのか……。また親っさんが伝説を作るぜ、宇宙を震撼させる黒姫の伝説をな。
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