第四話 リップシュタット戦役
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なってるぞ。
「楽しみにしていますよ、次にお会いできることを。……それとワーグナー一家の頭領、アドルフ・ワーグナーが今回の内乱では中立を守るとのことです」
「……」
「あそこはブラウンシュバイク公の勢力下ですからね。公然とは味方できない、そんな事をすればあっという間に潰されます。御理解ください」
「……分かった、中立で十分だ。敵を打ち破るのは私の役目だ」
頑張れよ、期待しているぜ。
部屋を出て帰ろうとすると大勢の人間が居た。見たことあるやつばかりだな、あの白い艦で会ったやつらじゃねえか。何だよ、親っさんが出てきたらみんな目を逸らしやがったぜ。失礼な奴だな、何だってオーディンは礼儀知らずばかりいるんだ。辺境の方が人間はしっかりしているぞ。
親っさんが声を出したのはその時だった。
「ナイトハルト、ナイトハルトじゃないか」
「や、やあ、エーリッヒ」
親っさん、凄く嬉しそうだ。多分昔の友達なんだろうな。でも相手はちょっと困惑している。周りに遠慮しているみたいだ……。
「久しぶりだね、ナイトハルト。そうか、ローエングラム侯の元帥府に居るのか……。良かった、ここなら卿の能力を十二分に発揮できるよ」
「ああ、有難う」
親っさん、可哀想だな。昔の友達とか皆親っさんを避けるのかな。
「大丈夫だよ、ナイトハルト。私は悪名高い海賊だけれどここにいる人達は皆、私の知り合いだからね。戦友でもある。そうでしょう、ビッテンフェルト提督」
「……」
おいおい、そのオレンジ色の髪の毛のデカい奴。何で顔を背けるんだよ。親っさんが俺達をチラッと見た。悪戯っぽい笑みを浮かべている。寒いよ、マジで寒い……。
「まさか輸送船を強奪しただけとか言わないですよね。元帥閣下も武勲第一位と評価してくれましたし」
「……」
あーあ、親っさんがクスクス笑い出した。お前らが失礼な態度を取るからだぞ。親っさんが怒ったじゃないか。アンシュッツ副頭領もウルマンもルーデルも皆顔を引き攣らせている。いや、連中も顔を引き攣らせているな。
「ミッターマイヤー、行こうか」
「ああ、そうだな、ロイエンタール」
何だよ、それ。背の高いのと低いのが立ち去ろうとしている。それに合わせて他の連中も散り始めた。残ったのはナイトハルトと呼ばれた友人だけだ。
「卿は行かないのかい、ナイトハルト」
「馬鹿、相変わらずだな」
親っさんが軽やかに笑い声を上げた。ナイトハルトと呼ばれたのっぽも笑う。悪い奴じゃないみたいだ。
「元気そうで安心した。心配したぞ、いきなり居なくなるから」
「仕方なかった。ある貴族に命を狙われた、逃げるしかなかった。その逃亡先が今の組織だった……」
「……」
海賊社会じゃ有名
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