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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第四話 リップシュタット戦役
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た。金髪の野郎どういう教育をしてるんだ? それでもケスラー大将が俺達の所にやってきて用件を聞きだそうとした。親っさんが辺境星域の貴族達の代表で来たと言うと慌てて金髪の所に飛んでった。

俺達が案内されて金髪の所に行くと奴は執務机で書類の決裁をしているところだった。傍には陰気そうな顔色の悪い三十男がいる。そのまま親っさんを目の前に立たせたまま話に入った。客を立たせたままってどういうことだ? 帝国元帥だか何だか知らねえが礼儀知らずにも程が有るぞ。おまけにすげぇー嫌そうな顔をしてる。

「それで用件は」
「辺境星域の貴族達の代理できました。いずれ起きる内乱で閣下に御味方するとのことです」
そう言うと親っさんは味方する貴族の一覧表、そして委任状を提出した。
「……なるほど」
何だよ、味方が増えて嬉しくないのかよ。碌に見もしないで失礼だろう。

「ただ彼らは固有の軍事力が殆どありません。ですので後方支援で協力したいとのことです。輸送については我々が行います」
「……そうか、有難い事だな。で見返りは」
本当に有難いと思っているのかね。頭来るな、こいつ。副頭領も頬がひくついてる。平然としてるのは親っさんだけだ。

「それらの貴族に対して家門と領地を安堵する、それを保証する公文書を頂きたいと思います」
「ほう、公文書を」
何だよ、変な目で親っさんを見て。

「元帥閣下が多くの貴族を潰して帝国の財政を健全化したいと考えているのは分かっています。しかし辺境星域の貴族達を潰しても余り財政の健全化には役に立たないと思いますよ。むしろ辺境星域は重荷になりますね。貴族達に開発を任せ住民の権利は法によって守る。その方が効率が良いでしょう」
なるほど、そうだよな。やっぱり親っさん、凄いや。

「卿にとってもその方が都合が良い、そうではないかな」
薄気味悪い声だな。抑揚がまるでないぜ。何だよこの死人みたいな奴。金髪よ、もうちょっと人を選べよ。お前の周りって碌な奴が居ないな。お前、人を見る目が絶対無いよ。

「否定はしません。何か問題でも? 誤解されがちですが我々は犯罪組織では有りませんよ」
痺れるよ、親っさん。顔も表情も落ち着いてる、役者が違うぜ。誰かに見習わせたいぐらいだ。爪の垢でも煎じてやろうか。

「良いだろう、公文書を用意しよう。それで、卿への報酬は」
「前回同様、戦いが終わり閣下が勝利を得た後、我々の働きを評価してください。それによって報酬を決めましょう。如何です?」
おいおい、そんなに親っさんを睨むなよ金髪。親っさんは敵じゃないぞ、お前勘違いしてねえか?

「……良いだろう。だが今度は前回のようには行かないと思え」
何凄んでんだよ、お前。大丈夫か? 敵と味方の区別つかなく
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