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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第四話 リップシュタット戦役
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ーエングラム侯ですか、それともブラウンシュバイク公?」
質問してきたのはアルフレット・ヴァイトリングだった。こいつとオットー・ヴェーネルトは新人だ。二人とも不安そうにしている、俺だって分からねえが相手になってやるか。

「気になるか、ヴァイトリング」
「ええ」
「お前はどっちに付いて欲しいと思ってるんだ」
「そりゃあ、ローエングラム侯です。俺の家は貴族に追っ払われて辺境に来ましたから……」

そうなんだよな、辺境に居る奴にはそういう奴が多いんだ。
「ヴァイトリング、正直俺には分からねえよ。多分、今それを話してるんだろうがな」
「……」
「ただな、他の海賊組織の中には貴族達と強く結びついている組織も有る。その中にはウチと関係の深い組織も有るんだ」

ワーグナー一家はどうするのかな、ちょっとそこが心配だよな。まあ他にも心配は有るけど……。
「それにな、ウチの組織はローエングラム侯と前回ちょっと有ったからな」
そうなんだよな、ウルマンの言う通りなんだ。あいつら性格悪いんだよ、親っさんの事、馬鹿にするし。誰のおかげで勝てたと思ってるんだよ。

あっ、親っさんが出てきた。カールを抱き上げてるな、って事は話は終わったって事か。傍にフィーアさんもいる。楽しそうに話してるな、俺達の前じゃ滅多に見せない表情だ。こうして見てると親っさんってごく普通のお兄さんだよな、特別な人には見えない。

「なあウルマン、親っさんってカールを可愛がってるよな」
「そうだな、カールも親っさんになついでるよ」
「あれかな、親っさんってフィーアさんの事好きなのかな」
俺の質問にウルマンはウーンと唸り声を上げた。ルーデルは首を傾げてる。フィーアさんって親っさんより五歳は年上だよな。親っさんって年上が好みなのかも。若い娘が悔しがるぜ。

親っさんがカールを抱き上げたまま近づいて来る、フィーアさんも一緒だ。
「今度会えるのは三月の半ばくらいかな、オーディンまで行くからね」
「えーっ」
「御土産を買ってくるよ」
「うん」

親っさんがカールを降ろした。
「それでは、私はこれで」
「お気をつけて」
「有難うございます、奥様」
親っさんとフィーアさんが挨拶している。良いなあ、なんか似合うぜ。

ヴァイトリングとヴェーネルトが親っさんに近づいた。
「親っさん、ご苦労様です」
あ、馬鹿、親っさんの顔が強張ってるだろう。フィーアさんも強張っている。後で俺達まで怒られるだろうが、この馬鹿!

慌ててヴァイトリングとヴェーネルトを押しのけた。
「済みません、ヴァレンシュタインさん。この二人、ちょっと勘違いしまして」
「……そうですか」
「ええ、それでは奥様。私達はこれで
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