第三話 アムリッツア星域の会戦
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え、と言うのか」
「はい、今なら勝ち戦の御祝儀価格で一人五万帝国マルクで如何です」
また声が聞こえるよ。“馬鹿な”とか“何を考えている”とか。お前らホント、何にも分かっちゃいねえな。普通どんなに安くたって身代金は十万帝国マルクは下らねえぜ。御祝儀価格ってのは嘘じゃないんだ。
「馬鹿な、相手は人間だぞ、それを買えだと」
金髪が吐き捨てた。顔が歪んでいる。おめえも分かってないな、金髪。親っさんは好意で言ってるんだ。素直に受けろよ。
「申し訳ありません、我々は海賊なんです。帆船時代から海賊に捕まった捕虜は身代金を払うのが習いです」
「……」
「それに売るのは反乱軍の兵士ですよ。帝国人じゃ有りませんから人身売買の法にも触れません」
「……」
そうだぜ、俺達は海賊なんだ。普段はやらないが今回は法に触れない、金になるなら喜んでやるぜ。“法に触れない範囲で阿漕に稼ぐ”だ。あ、親っさんが溜息を吐いてる。交渉失敗か……。残念だよな、相手が馬鹿なんだからしょうがないか……。
「分かりました、残念ですね」
「……どうする気だ、捕虜を殺すのか」
金髪よ、お前帝国元帥だからってふざけんじゃねぇよ。断っていて殺すのかだと? 親っさんだから怒らねえけどな、他の頭領なら殴られてるぞ。お前にゃ関係ないだろう。
「まさか、そんな金にならないことはしません。フェザーンに持って行って反乱軍に売ります。フェザーン商人に十パーセントの仲介料で仲介してもらいますよ。最低でも一人十万帝国マルク、仲介料でフェザーンに一万帝国マルク、ウチが九万帝国マルクですね」
親っさんがまたクスクス笑った。ほら、怒っただろう。もう何でそうやってすぐ怒らせるかな。
「フェザーンだと……」
そんな唖然とするなよ。お前、戦争は出来てもそれ以外は駄目だな。ウチに来いよ、親っさんの下で一年もいればかなり違うぜ。
「ええ、反乱軍と直接交渉するのは拙いですからね。ウチはあくまでフェザーンに売買を頼む形になります」
何だかな、また皆騒いでる。殺さないって言ってるだろ。俺達はな、お前らみたいに敵なら殺すなんて考えねえんだ。敵から儲ける、駄目なら殺すだ。
「レムシャイド伯にはちゃんと話しますよ。元帥閣下に断られたので殺すよりはと思いフェザーンに連れてきたと。レムシャイド伯がどう受け取るか……」
あれ、金髪顔色が悪いぞ。
「一つ間違えるとフェザーン商人が帝国と反乱軍を手玉にとって値を吊り上げるかもしれませんね。まあウチは損さえしなければどうでも構いませんが。楽しみですね」
親っさんが堪えきれないと言った感じで笑い出した。
「買う! 私が彼らを買う。一人五万帝国マルク、御祝儀価格だったな、ヴァレンシュタイン」
おい、大丈
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