第三話 アムリッツア星域の会戦
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ってる。あのね、まだ終わりじゃないからね。まだ続きがあるよ、覚悟しな。耳栓した方が良いと思うよ、ホント。
「難しかったのはその後です。アムリッツアからは補給はまだかと何度も催促が来ましたからね。もう少し待てと言って宥めたんです、皆さんに武勲を立てさせるためにね。それが無ければ連中、逃げていましたよ……。他愛ない敵だったでしょう、私は結構親切な男なんです。そうでしょう、カルステン・キア」
「あ、その、そうです、親っさんは親切な親っさんです」
頼みますよ、親っさん。何で俺に話しを振るんです。それにフルネームで呼ぶなんて。俺は切れてるぞって言ってるようなもんじゃありませんか……。あー、また呻いてるよ。って言うより呻き声が前より大きくなってる。いやそれより金髪、身体が小刻みに震えてるぜ。寒いのかな、寒いんだよな、俺だって寒いもん。副頭領、どうして来てくれなかったんです。俺だけじゃ寒いですよ。
「元帥閣下、黒姫一家の功績、評価していただけませんか。そうでなければ報酬の話が出来ません。今回の戦いにおいて、我々の功は第何位です?」
あ、皆固まった、黙って金髪を見てる。大丈夫かよ、金髪。身体が震えてるし顔面が真っ赤だぜ。素直に親っさんに謝れよ。その方が絶対良いって。
「……武勲、第、一位……」
絞り出す様な声だな。そんなに俺達の功を認めるのが嫌かよ。可愛くねぇな。でもね、親っさんはそんなの関係ないんだよな。ニコニコしながら答えた。怖いよな。後で皆に教えなきゃ。
「有難うございます。では報酬ですが黒姫一家構成員三万人に対して一人頭四万帝国マルクでどうでしょう。合計十二億帝国マルクです。」
彼方此方で呻き声が聞こえたよ。何処からか“十二億!”って悲鳴も聞こえた。何だよ、文句あるのかよ、俺達黒姫一家のモットーはな、“法に触れない範囲で阿漕に稼ぐ”だ。お前らにとっちゃ十二億帝国マルクなんて屁でもねえだろ。大勝ちしたのに文句いうんじゃねぇよ。誰のおかげで勝ったんだ。
「……分かった、十二億だ」
金髪が承諾すると皆が沈黙した。痛いくらい静かだぜ。親っさんが契約書を出して金髪に差し出した。金髪は奪い取る様に契約書を取ると忌々しそうにサインした。そしてフンと言う感じで親っさんに契約書を返す。有難うございます、暴利をむさぼる、暴利をむさぼる……。
「ところで元帥閣下、一つお買い頂きたいものがあるのですが」
親っさんが金髪に話しかけると野郎、露骨に胡散臭そうな顔をした。お前な、親っさんに失礼だろう。話ぐらいちゃんと聞けよ。親っさんを見ろ、おまえらが嫌な顔をしても親っさんは普段通り対応するぜ。人間の格はな、そういうところに出るんだ。
「今回輸送船を拿捕した事で反乱軍の兵士を捕えました……」
「……それを買
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