第三話 アムリッツア星域の会戦
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た。やはり勝利は良い。
オペレータがヴァレンシュタインの来訪を告げたのはその直後だった。皆あの海賊が何をしたかは知っている。不機嫌そうな表情になった。面白い、此処に通してやろう。自分がどれほど俺達を怒らせたか、よーく教えてやろう。当然だが報酬など無しだ、海賊めが、思い知らせてやる。
帝国暦 487年 10月14日 ローエングラム艦隊旗艦 ブリュンヒルト カルステン・キア
何か居心地良くないな、この艦。俺達が普段乗っている巡航艦と違ってデカいしそれに皆嫌な目付で俺と親っさんを見ている。もしかするとこのまま帰れないとかあるのかな。海賊って評判悪いもんな、黒姫一家は悪さはしてないけど犯罪組織って思っている人もいるし……。心配なんだけど親っさんは全然感じていないみたいだ、大丈夫かな? 大丈夫、だよな……。
「元帥閣下、この度の大勝利、おめでとうございます」
「……」
なんだよ、こいつ。親っさんがおめでとうって言ってるのに碌に返事もしないなんて。海賊社会じゃ挨拶のできない奴は相手にされないぜ。顔が良いだけのロクデナシだな。
「反乱軍は手強かったのでしょうか?」
「他愛もないものであった。何のためにアムリッツアに集結したのか」
益々嫌いになった。傲慢そうに笑いやがって。おまけに親っさんを見下したような目をしてる。
「それは何よりです。我らも協力した甲斐が有ったと言うもの」
「卿が何を協力したのだ、輸送船を強奪しただけではないか」
馬鹿にしたような声が聞こえた、オレンジ色の髪の毛をした奴だ。そして周囲から笑い声が上がった。ローエングラム元帥も笑っている。嫌な奴らだ。
親っさんは少しも表情を変えなかった。周囲の笑い声が収まるといつもの口調で話し始めた。
「ええ、輸送船を強奪しただけです。二度ね」
皆不思議そうな表情をしている。ローエングラム元帥が“二度?”と呟いた。
親っさんがクスクス笑い始めた。あ、俺知らね。どうなっても知らないからね、責任持てない。親っさんを怒らせたよ、あんた達。間違いなく地獄を見る。
「アムリッツアの反乱軍が他愛も無かったのは何故だと思います」
皆ギョッとしてる。ローエングラム元帥が“まさか”なんて言ってる。おまえら気付くの遅いんだよ。
「そう、我々がイゼルローン要塞からアムリッツアに向かって出された輸送船百隻、護衛艦四十隻を拿捕したからですよ」
「馬鹿な」
馬鹿じゃないんだよ、金髪。顔が強張ってるぜ。
「簡単でしたよ、先に拿捕した船団には護衛艦が有りましたからね。それを使って味方の振りをして近付いたんです。他愛もなく拿捕できました」
あーあ、あっちこっちで呻き声が聞こえる。そして親っさんだけが笑
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