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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第二話 焦土戦術
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書の跡取りが反逆? おまけにカストロプはオーディンに近いし大騒ぎになった。カストロプの特産物はあっという間に暴騰したよ。すげぇー大儲けだと思って大興奮したけど親っさんは売らなかった。

討伐軍が組織されるとフェザーン商人達はカストロプの反乱は終結すると見たんだな、特産物を売りまくったけど親っさんは売らなかった。市場も反乱が終結すると見た、特産物の値はあっという間に下落した。俺達は真っ青になったしワーグナーの頭領からも“どうするんだ”って問い合わせが来たけど親っさんは逆に売られた特産物を買いまくった。俺なんか親っさん、気でも狂ったんじゃないかと思ったほどだ。

でも討伐軍がカストロプの反乱軍に敗れると特産物の値はさらに上がった。おまけにカストロプの反乱軍はマリーンドルフまで勢力を拡大しようとしたからマリーンドルフの特産物まで値が高騰した。吃驚したよ、親っさんが何でマリーンドルフの特産物まで買い占めたのか、ようやく分かった。“親っさん、すげぇー”って皆で騒いだ。

特産物の値は天井知らずで高騰した。皆が親っさんに何時売るんだって問い合わせてきた。協力してくれた人達だけじゃないよ、フェザーン商人や内務省の役人まで問い合わせてきた。だけど親っさんはニコニコ笑って“もう少し”と言うだけだった。役人は“あんまり阿漕な真似をするんじゃない”とか言ってたな。

親っさんが特産物を売ったのはキルヒアイス少将が討伐軍の指揮官に任命された直後だった。また吃驚しちゃったよ。キルヒアイス少将って階級も低いし年も若い、それに兵力が少なかった。これじゃまた鎮圧は失敗するぞって思ったからね。俺だけじゃない、皆そう思ったんだ、反乱はまだまだ長引くって。それなのに親っさんは皆売り払っちまった。俺なんか親っさん、今度こそ気が狂ったと思ったくらいだ。

でも親っさんは正しかった。なんとキルヒアイス少将は反乱を鎮圧しちまったんだ。しかも十日で鎮圧した、これまた吃驚だった。“親っさん、すげぇー”ってまた皆で騒いだよ、本当に痺れたぜ。俺達は大儲け、親っさんは皆から感謝された。神憑り的な予測だって皆が称賛していたぜ。俺は親っさんに何でわかったんですかって聞いたけど、親っさんは笑うだけで教えてくれなかった。親っさんっていつもそうなんだよな、笑うだけで教えてくれない……。

『ところで黒姫の、これからどうするんだい。イゼルローンが落ちたとなればこれからは辺境が戦場になる。商売がやり辛いんじゃないのかい』
「そうですね、あまり面白い事態じゃ有りません」
そう、黒姫一家は困っている。イゼルローン要塞が反乱軍の手に落ちた……。これからは反乱軍がイゼルローン回廊から攻め込んでくる。辺境が戦場になるんだ、縄張りが安定しないのは非常に拙い。

『なんならこっちへ来たらどう
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