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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第一話 黒姫
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め、反逆で暴騰した所で売る。或いは貴族の当主が死ねば当然だが混乱が生じる。特に後継ぎが無ければそれは長期化する、それに乗じて利益を得る。コルプト子爵、グリンメルスハウゼン子爵、ハルテンベルク伯爵、ヘルクスハイマー伯爵、ベーネミュンデ侯爵夫人、クロプシュトック侯爵。他にも逮捕されたシュテーガー男爵……。

まるでハイエナだな。中でもコルプト子爵家はとんでもない事になった。あそこはブラウンシュバイク、リッテンハイムの双方と縁続きだったからな。両家が跡目争いに絡んで収拾が着かなくなったんだ。まあ俺もそこにちょっと絡んだが後継候補者の間で目を背けたくなる様な凄惨な殺し合いが起きた……。結局コルプト子爵家は断絶、その領地は帝国政府に返還された。

但し、コルプト子爵領に有った鉱山の所有権は俺が持っている。後継候補者の一人ハンス・フォン・コルプト(コルプト子爵の従兄弟だった)がどうしようもない賭博狂いで借金まみれだったんだがその借金の相手というのが俺の同業者、ワーグナー一家のbS、ヘルムート・リーフェンシュタールだった。

リーフェンシュタールもこのままじゃ降格された上に借金も背負わされると困っていた。そこで俺はハンスに金目の物を持ってくれば話をつけてやると言っんだが、そうしたら野郎、無人衛星にある鉱山の権利書を持ってきた。吃驚したよ、正気かと思ったが奴は借金を整理しないと跡を継げないと必死だったようだ。跡を継いだら再度交渉しようと考えていたらしい。言わば質にでも入れた感覚だったんだろう。

そんなわけで権利書の書き換えを行いハンスがコルプト子爵家の代表として鉱山の権利を俺に譲度した形にした。その後でリーフェンシュタールの所に行き借金を清算した。但し、元金だけだ。利息分はリーフェンシュタールに被らせた。ペナルティ無しで済む話じゃないからな。奴もそれは納得した、感謝していたよ。

利息分はハンスに渡した。後継者争いは熾烈だったから多少の軍資金は要るだろうと思ったんだ。奴も喜んでいたんだが一週間後に死んだ。他にも借金が有ったらしくそれが原因で殺されたらしい。リーフェンシュタールに金を返して俺には何故返さない、そういう事だったようだ。

後日、コルプト子爵の親族から俺が鉱山の権利書を盗んだと警察に訴えが有った。警察が事情聴取に来たが権利書はハンスがコルプト子爵家の代表として譲度している、手続きに問題は無い。親族はハンスが勝手に持ち出したので無効だと言い募った。全くその通りなんだが突っぱねた、ハンスに手続きさせて今になって知らないふりをしていると言ってね。死人に口無しだ、あくどくなったよ……。

そうしているうちに余りの後継争いの酷さに政府は嫌気がさしてコルプト子爵家は断絶という事になった。つまり親族は請求権を失ったわけだ。当然だが俺に
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