第六話 死の恐怖
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、すでにイエロー…下手すればレッドに届いていたかもしれない。
「本来であれば儂はこの一撃で貴様を殺すことができた―――だがこれも令呪によって宝具の使用が禁じられておっての。まったく、面倒なマスターに当たったもんよ」
アサシンは軽く愚痴を叩くが、俺にはあまり耳に入ってこなかった。
圧倒的
今のアサシンを言葉で表現するならばこの単語が出るだろう。
たった一発セイバーに叩き込んだだけでセイバーのHPを半分以上削り取った。
「く…はぁ……」
セイバーは剣を杖のようにして、よろよろと立ちあがった。
だが、足取りはおぼつかない。
少し押しただけで倒れてしまいそうだ。
「ふむ…やはりここで地力の差が出るか。名残惜しいが…」
そう言うと、アサシンは俺の方へと目を向けた。
「まずはマスターの方から息の根を止めるか」
「……っ!!」
まずい、このままでは確実に殺られる。
相手はサーヴァント、しかもセイバーを圧倒していた相手。
俺がかなう相手じゃない。
ならば……
(令呪を使うしかない)
不可能を可能にする力、それが令呪。
だがそれを使えるのはたった三回きり。
このままやられるよりは、今その一回目を使うべきだ。
俺はそう考え左手に意識を集中させる。
そして、念じる。
(セイバー、全力でアサシンを倒せ)。
だが、それを念じる前に俺は宙に浮いていた。
「ぐはっ!!」
俺はその勢いのまま壁へと叩きつけられる。
そして、そのままずるずる地面に倒れ伏した。
見ると、アサシンが脚を振り上げているのが見て取れた。
「悪いが令呪を使われると些か面倒なのでな、早めに封じさせて貰う」
どうやら此方の考えていたことを完全に読まれていたらしい。
完璧に積みだ。
此方の切り札、令呪を封じられ俺もセイバーも虫の息だ。
せめてサチだけでも…。
俺は一心に思いながら、サチに視線を向ける。
サチは顔を青ざめながらただ俺を見ていた。
うまく言葉が出てこない。
だけど必死にサチに向かって口を動かす。
『逃げろ、後ごめん』
俺はそう伝えようと口を動かした。
サチに届いただろうか、声は届いてないかもしれない。
だけど気持ちは伝わった、そんな気がする。
「安心せい、痛みは一瞬」
上からアサシンの声が聞こえる。
抗う力もなく、俺は迫りくる拳に身をゆだねた。
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