第六話 死の恐怖
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そう簡単にはやられんぞアサシン」
ピンと張りつめたような空気が部屋中を包み込む。
「行くぞ、暗殺者!!」
先に仕掛けたのはセイバーだった。
セイバーは手に持っている不可視の剣で目の前の男へ切りかかった。
「むんっ!」
男は素手でセイバーの剣を受け止めると、開いている手で拳を作りセイバーへと殴りかかる。
「ふっ!」
セイバーは体をねじらせてそれをかわすと、バックステップをもって男から一度距離を取る。
そして再び男へと一気に距離を詰めると男へと切りかかる。
男はそれを後ろに下がることでかわし、セイバーの体へ拳を滑り込ませる。
「…くっ!」
セイバーはその打撃を剣の腹で防御するが、勢いを殺しきれなかったのかその場でたたらを踏む。
だがセイバーはすぐに体勢を立て直し、すぐに迎撃に入る。
俺はその戦いを間近で見ていて、その勢いに圧倒されていた。
一言でいえばすさまじい。
英霊同士の戦いを見るのは、今回が初めてであったが、今二人の戦いを見て自分は無力であると実感した。
その光景はまさに神話の一幕、伝説級の戦いはここに再現されていた。
このレベルの戦闘では、人間の介入する余地はない。
それどころか、近づいただけでその余波を食らい。死ぬだろう。
「くっ」
ずっと膠着状態が続いていたが、徐々にセイバーの方が押され始めていた。
確かにセイバーは最優のサーヴァントとしてクラスに優遇されている。
だが、アサシンはセイバーの剣技を見切り、まだ一撃もセイバーの攻撃をまともに食らっていない。
対してセイバーは、辛うじてアサシンの攻撃を迎撃し、防御しても一発が重いのかやや後ろに下がるという場面が目立っている。
白兵戦においては最強を誇るセイバーが、ここまで追い込まれるのは明らかに不自然だ。
考えられる理由、それはレベルの差だ。
レベルの差があればステータスも明らかに違ってくる。
敵はセイバーよりステータス上に有利な状況なのであろうと俺は考えた。
「卦体な剣を使っているようだが…それにしても攻めが甘いな」
「……っ」
敵の揶揄にもセイバーは言い返せない。
実際、ここまで打ち合ってセイバーは攻めあぐねている。
剣の間合いに入ることも出来ない。
二騎の戦いは佳境に入りつつあった。
「呵々。なるほど、なかなか楽しませてくれるが―――そろそろ時間が迫っておる」
そう言うと男はゆっくりと構え、
「むんっ!!」
一気にセイバーとの距離を潰し、
そして拳をセイバーに叩き込んだ。
「がはっ!?」
セイバーは一撃食らうとそのまま後方へと吹っ飛び、壁に叩きつけられた。
セイバーのHPバーを見ると、まだ余裕のあったはずなのに
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ